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2017-04-05

アシクロビル脳症

アシクロビル医薬品インタビューフォームの重大な副作用欄4番目に以下の記載
「精神神経症状:意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等」

  • 定義 アシクロビル投与で生じた脳症(ガンシクロビル,バラシクロビルでも生じる)
  • 機序 アシクロビルの直接神経毒性あるいは代謝産物の神経毒性の2説あり
  • 頻度 稀であるが維持透析中の腎不全患者や免疫抑制状態の症例で多い
  • 代謝 肝代謝8~14%,腎排泄68~76%(主に未変化体),髄液濃度は血中の約半分
  • 症状 意識障害や昏睡,錯乱,痙攣,幻覚,失調など(発熱や頭痛はない)
  • 検査 CTやMRIは正常,髄液で細胞増多なく培養陰性,脳波で時に徐波化
  • 濃度 SRLLSIなど外注会社では測定できない(製薬会社では概ね可能)
  • 治療 薬剤中止と全身管理(1週間程度で改善),必要に応じて血液透析

加療開始時に正常腎機能でも生じうるから要注意 ⇒ 洛和会病院医学雑誌 2010;21:65−67
(投稿者 川崎)

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