このブログを検索

2017-06-09

吃逆に対する薬物治療

吃逆に対して、様々な薬剤の投与が報告されているが、いずれの薬剤も質の高い臨床研究で治療効果が検討されておらず、多くは薬理学的な作用機序から経験的に使用されている薬剤である。以下に代表的な薬剤を示す。

【適応あり】
商品名 成分名 備考
コントミン クロルプロマジン 吃逆中枢の抑制
呉茱萸湯 ゴシュユ、タイソウ、ニンジン、ショウキョウ 当院採用なし

【適応はないが経験的に使用される】
商品名 成分名 備考
ギャバロン バクロフェン 筋弛緩作用および吃逆中枢の抑制
プリンペラン メトクロプラミド 消化器疾患が原因の場合
セレネース ハロペリドール 吃逆中枢の抑制
ランドセン クロナゼパム ミオクローヌスに有効であることから使用
テグレトール カルバマゼピン
デパケン バルプロ酸ナトリウム
芍薬甘草湯 シャクヤク、カンゾウ 末梢での筋緊張の抑制、痛覚中枢や脊髄反射弓の興奮抑制
ネオカキックス細粒
(市販薬)
チョウジ、シテイ、ショウキョウ 柿のへた(シテイ)を煎じたものが吃逆に有効

各薬剤の有害事象リスクや想定される吃逆の原因を加味しつつ、個々の症例で治療を選択する必要がある。
しゃっくり
(投稿者 小森)

1 件のコメント:

  1. 当院の先輩医師および初期研修から聞いた話
    ・自分もしゃっくりがよく出るが芍薬甘草湯は効果テキメン(すぐに効く)
    ・マラソン中に足がつったときは芍薬甘草湯が効果テキメン(すぐに効く)

    返信削除