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2018-11-22

アダムキーヴィッツ動脈 Artery of Adamkiewicz

  • 大前根髄質動脈のことで,アダムキュービッツ動脈と発音されることもある
  • ポーランドの病理学者AW Adamkiewiczが発見(Wien 1881;84:s469-502)
  • 脊髄の尾側1/3を栄養する太さ1mm前後の細い動脈でT9~L1分枝が多い
  • 前脊髄動脈と合流する直前に特徴的なヘアピンカーブを作る(下図矢印)
参考) Adamkiewicz動脈のCTAと MRA(J Jpn Coll Angiol 2009;49:517–21


胸腹部大動脈瘤の置換範囲にアダムキーヴィッツ動脈が含まれることが多い.術中の同動脈の障害は脊髄梗塞による術後対麻痺(両下肢の運動麻痺)や直腸膀胱障害を引き起こすことがある.アダムキーヴィッツ動脈の同定と再建,脊髄ドレナージ法,硬膜外冷却法など様々な脊髄保護法がとられている.

胸腹部大動脈瘤のステント治療でも生じることはあるが,その頻度は極めて稀(1743例中1例).ただしその発症を予想することは困難であるため,周術期の血圧管理や愛護的なカテーテル操作を心がける必要がある.対麻痺が疑われた場合は可急的速やかに診断を行い,脳脊髄ドレナージを含めた治療を行うとともに早期の理学療法を開始する.

(投稿者 川崎)

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