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2019-07-25

緩和医療におけるステロイド

【効果】
  1. サイトカインに対する効果:局所におけるサイトカインの産生を抑制し、がん悪液質症候群に伴う食思不振や倦怠感を改善する。
  2. 抗浮腫・抗炎症効果:腫瘍周囲に出現する浮腫や炎症反応を減少することにより、腫瘍による圧迫や浸潤を緩和し、症状を改善する。
  3. 中枢神経系に対する直接的効果
【処方例】
  • 漸増法:ベタメタゾン0.5mg/日で開始し、徐々に増量(4mg/日まで)する。
  • 漸減法:ベタメタゾン4-6mg/日を3-5日間投与し、有効であれば効果のある最小量(0.5-4mg/日)に漸減する。効果がない場合には中止する。
(生命予後が不明確、または3ヶ月以上)長期投与による合併症を避けるため、1-5日間の短期投与を反復。
(生命予後が3ヶ月未満)長期投与による合併症を観察しながら、効果の期待できる最小量に漸減(0.5-4mg/日)

がん悪液質状態によって引き起こされる倦怠感や食思不振に対するステロイドは、広く使用されている一方で、その効果はまだ明確に証明されてはいない。
患者の生命予後と全身状態を評価した上で、副作用の出現に留意しつつ、開始することが重要である。

【参考】静脈経腸栄養 Vol.23 No.4 2008

(投稿者 小森)

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