🍙 食後狭心症は重症を示唆(J Am Coll Cardiol 1994;23:627-9)
- 冠動脈疾患患者408例の検討では35例(8.6%)に食後の狭心痛を認めた.
- 食後狭心症例は,非食後狭心症例と比べて,以下の因子と有意に関連:男性 (91% vs 66%),安静時胸痛(83% vs 51%),左主幹部病変(34% vs 10%),3枝病変(82% vs 54%),心機能低下(駆出率 39% vs 47%)
- 食後狭心痛は食後安静時と食後負荷時のいずれにも生じて,夕食後が一般的である.
🍜 おまけ
- 食後狭心症は,狭心症(angina pectoris)の命名者であるウィリアム・ヘバーデン(Mcd Trans Roy Coll Physicians 1772;2:59-67)や医学教育の大家であるウイリアム・オスラー(New York: Appleton, 1897)らによって古くから指摘されています.
- 食後狭心症の機序は,血流が冠動脈から腹部臓器に移動するためと予想されますが,健常者や動物実験では再現できないようです.拡張した食道や胃による圧迫,酸素需要の増加,心拍出量の増加なども提唱されているようです(参考).
- 狭心症は「歩きだすと胸が痛くなるが,歩き続けると痛みは改善する」というウォークスルー現象(warm-up angina)と呼ばれるユニークな一面もあります.胸痛を引き起こす物質についてまとめたこのページは一見の価値あり!
(投稿者 川崎)
"abdominal angina"という病態があり、これは腹部臓器の
返信削除高度動脈硬化に起因し、食後の腹痛は虚血によるものです。
当然全身の動脈硬化は強く予後不良です。食後の腹部症状を
anginaと診断するのは胸部症状をanginaと診断するより
難しそうです。
閉塞性肥大型心筋症で食後に胸部症状がでる症例も
あります。