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2020-10-02

関西風命名:触ってナンボの法則

心電図異常で来院した症例(持続する胸痛の既往あり)

🐧 解説
  • 収縮期に持続時間の長い外方運動=抬起性 ➜ 心肥大の疑い
  • その隆起は後半(収縮中期〜後期)が大 ➜ 収縮期バルジ
  • 収縮期バルジの存在 ➜ 心室瘤あるいは左脚ブロックを示唆
  • 本例の最終診断は陳旧性前壁心筋梗塞+心尖部瘤であった

🐦 コツ
  • 収縮早期の隆起+収縮中期〜後期の大きい隆起(収縮期バルジ)は,まるでふたコブラクダ🐫です.しかし視認で気がづくことは稀です.Atrial kickやventricular kickの視認が難しいのと同じ現象です.是非,触診で感じてください(個人的に関西風に命名:触ってナンボの法則).収縮期バルジは時相判定が必要であるため,動脈触診や頸静脈視診を併用した心尖部触診がおすすめです.

🐤 おまけ
  • 心尖拍動を用いた心拡大の評価は通常,仰臥位で行われます(実際の方法).しかし臨床では座位で評価しても問題ないと思います(実例).実際に胸部X線では心拡大の判定は立位像で行っています.
  • 本例のように心尖拍動が左乳輪の外側にあれば心拡大が強く疑われます.2肋間以上での拍動も心拡大を示唆します.座位の頸静脈評価(簡易定性法)が普及してきたのと同様に,座位の心尖拍動評価が現場でもっと活用されることを期待します.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

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