PESPによる心筋viability評価
  陳旧性下壁梗塞例の負荷Tl心筋SPECT負荷直後像(左上)、後期像(左中)、少量再静注後像(左下)
  左室造影コントロール(右上)、右室ペーシングによるpost extra systolic
  potentiation (PESP)(右中)、インターベンション後(右下)
  Matoba S et al: J Cardiol 26; 331-339, 1995
  
  💚 解説
  
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      負荷Tl後期像では下壁に再分布が認められないが、Tl少量再静注で下壁に再分布が認められる。
    
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      左室造影では下壁のsevere hypokinesisがpost extra systolic potentiation (PESP)で改善し、インターベンション後に壁運動は改善した。
    
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      通常の運動負荷Tlイメージングの後期像で再分布が認められず、同部位のviabilityは乏しいと判断される症例においても、本例のように少量再静注で再分布が認められる例がある。
      壁運動異常の観点からはドブタミン負荷が汎用されている。
    
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      再静注とPESPがともに心筋viabilityの評価に有用であることを示している。
    
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      PESPの機序として、前負荷増加、後負荷軽減、Caの細胞内流入が推定されている。
    
 
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ひとり言
  
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      再静注法は1990年代に流行った一つの評価法で、その有用性を示す多くの論文がある。
    
- しかし、現在では殆ど使用されていない。
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      何よりも手間であることと、Tlの検定日の変化および被曝の軽減に起因するのであろう。MIBI/tetrofosminも優れている点は多いが、2回注射が必要なことは臨床の場では大きな欠点である。
    
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      Tlの負荷/再分布またはMIBI/Tterofosminの負荷/安静時像で虚血/心筋viabilityの評価がなされているのが現実である。
    
- 究極のviability評価法としてのFDG利用も普及はしていない。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
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(投稿者 杉原)
 
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