このブログを検索

2023-01-27

APS vs APTT:不思議な関係

APS=anti-phospholipid antibody syndrome(抗リン脂質抗体症候群)
APTT=activated partial thromboplastin time(活性化部分トロンボプラスチン時間)
  • APS臨床は静脈系+動脈系の血栓症であるが,検査ではAPTTが延長する

実はループスアンチコアグラント(LA)は in vitro のリン脂質依存性凝固反応(APTTなど)を阻害する免疫グロブリンと定義されている(血栓止血誌 2019;30:23-7).
  • APTTが延長するにも関わらず血栓症を発症する機序として,①リン脂質依存性凝固反応を抑制的に制御,②β2‐GPIを阻害,③プロテインCの活性化を阻害,④血管内皮細胞上のトロンボモジュリンやヘパラン硫酸を阻害ないし障害,⑤凝固抑制に働く血管内皮細胞からのプロスタサイクリン産生を抑制,⑥血管内皮細胞からのフォンウィルブランド(von Willebrand)因子やプラスミノゲンアクティベータインヒビターの産生放出を増加,などが提唱されている(難病情報センター).

(投稿者 川崎)

0 件のコメント:

コメントを投稿