カルチノイド症候群 Carcinoid syndrome

👽 カルチノイド症候群（Carcinoid syndrome）

• 概念　カルチノイド腫瘍（神経内分泌腫瘍）から活性物質の放出（同腫瘍の約10%）
• 機序　活性アミン(セロトニン・ヒスタミン)，タキキニン，プロスタグランジンなど
• 部位　消化管に発生することが多く，次いで肺や気管支，稀に卵巣や胸腺にも発生
• 疫学　世界的なカルチノイド年齢調整発生率は10万人当たり約2人（小児期は極稀）
• 症状　下痢や皮膚潮紅，喘鳴，ペラグラ症状（rough scaly skin，舌炎，口角炎）など
• 心臓　稀に右心系の心内膜や弁の線維化で三尖弁逆流や狭窄など（カルチノイド心疾患） 
• 診断　セロトニンの代謝産物である尿中5-HIAAの測定(24時間蓄尿)＋各種画像検査
• 治療　大原則はリンパ節郭清を伴う外科手術による根治的切除（有効な化学療法なし）

引用）小児慢性特定疾病情報センター，心臓 2009;41:918-23

カルチノイド心疾患の72歳男性
顔面の潮紅＋（心不全による）チアノーゼ＋毛細血管拡張

（CMAJ 2009;180:1329）

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

（投稿者　川崎）