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2024-03-19

日本内科学会 第243回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題14 痙攣発作にて発症したMOG抗体関連疾患(MOGAD)の1例
  • 自己免疫性脳炎の診断でステロイドパルス療法および抗てんかん薬投与を行った。血液・髄液検査にて抗MOG抗体陽性が判明しMOG抗体関連疾患と診断した。成人発症のMOG抗体関連疾患は視神経炎や脊髄炎として発症することが多い。

演題37 急激な経過で死亡したpheochromocytoma multisystem crisis(PMC)の1例
  • 来院時は不穏状態で,体温38.5℃・血圧200/110mmHg・心拍数142/分・SpO2 70%(カヌラ2L/分)で末梢冷感著明であった。腹部CTで長径7cm大の左副腎腫瘍を認め褐色細胞腫の合併が疑われた。著しい低左心機能を原因とした肺水腫であったためECMO/IABPを導入し血管拡張薬やα遮断薬を開始したが,5時間後に再度心停止となり永眠された。PMCは多臓器不全や精神症状,血圧異常など多彩な症状を示し,急性期での診断は困難である。

演題57 Eight-and-a-half症候群を呈しMRI拡散強調像は偽陰性であった橋梗塞の1例
  • One-and-a-half症候群に末梢性顔面神経(VII)麻痺を合併するものをeight-and-a-half症候群と呼ぶ。本例は左MLF(medial longitudinal fasciculus:内側縦束)症候群と左側方注視麻痺を認め,左one-and-a-half症候群であった。さらに左末梢性顔面神経麻痺も認め,eight-and-a-half症候群を呈しており,病巣は左橋下部被蓋の傍正中部と局在診断した。

演題139 glomus腫瘍の1例
  • 症例は50歳代,女性。卵巣腫瘍術前の胸腹部造影CTにて胃前庭部に18mmの濃染される粘膜下腫瘍を認めた。上部消化管内視鏡検査では胃前庭部大弯に20mmの粘膜下腫瘍(SMT)を認めた。glomus腫瘍は四肢末端に存在し体温や血流調節に寄与しているとされるglomus体に由来する非上皮性腫瘍である。glomus腫瘍は胃の間葉系腫瘍の約1%と稀である。

演題191 児にFemoral Facial Syndromeを認めた2型糖尿病合併妊娠の1例
  • 第2病日に選択的帝王切開術施行。児は口唇口蓋裂,大腿骨・腓骨欠損、四肢拘縮・短縮を認めFemoral Facial Syndrome (FFS)が疑われた。FFSは大腿骨低形成や眼瞼斜列上・上唇の菲薄化・小顎症等特徴的な顔貌を呈する疾患で,本邦では数例しか報告されていない。


👻 当院からの発表
  • 演題228 膿胸治療中にバンコマイシン関連円柱腎症を来した1例(腎臓内科 野一色陽菜先生)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

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