このブログを検索

2024-03-05

アスピリン喘息:AIA→AERD→N-ERD

  • 従来はAIA(aspirin-induced asthma)であったが近年はAERD(aspirin-exacerbated respiratory disease)と呼ばれるようになってきた.その本体はプロスタグランディン(PG) 合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)-1阻害作用をもつNSAIDsにより,気道狭窄症状(鼻閉,喘息など)を呈する非アレルギー性の過敏症(不耐症)である.よって最近ではN-ERD(NSAIDs-exacerbated respiratory disease)という用語が提唱されている.これはNSAIDs不耐症の気道型で,他のNSAIDs不耐症は皮膚型(急性および慢性蕁麻疹や血管浮腫)や混合型(気道型+皮膚型)である.
  • AERDの誘発閾値は常用量の1/5以下のため,少量でも十分な注意を要する.過敏症状は,NSAIDsの注射薬,坐薬,内服薬の順に出現が早く重篤である.貼付薬,塗布薬,点眼薬も禁忌と考える(下の表2を参照).また添加物(とくにパラベンや亜硫酸塩)を含有した医薬品(吸入薬や液体薬)の急速投与やミント摂取練り歯磨きにより,とくに重症不安定例では過敏反応が生じる場合がある.正確な機序は不明であるが,添加物やミントが,NSAIDsと構造式上類似しており,弱いCOX-1作用を有していると推定する専門家も多い.





💁 アスピリンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

0 件のコメント:

コメントを投稿