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2017-10-23

胸部X線の異常影の表現方法

肺炎が疑われる症例の胸部X線では「~に浸潤影が認められます」と表現しがち

基本ルール
血管陰影が不明瞭で真っ白ならコンソリデーション(≒浸潤影)と表現してもよい
 ➔ consolidation 【kənsɑ̀lidéiʃən】 統合,合同,強固

胸部X線で浸潤影と断定することが難しい時は透過性の低下(opacity)と表現
 ➔ opacity 【oupǽsəti】 不透明度,非透過性,曖昧,愚鈍

ただしN Engl J Medで浸潤影(≒コンソリデーション)の表現はあまり見かけない
手元にあったCase Records 5編で胸部X線の表記を確認してみると・・・
  1. new bilateral hazy opacities (N Engl J Med 2014;370:2524)
  2. patchy opacities in the middle and lower lung zones (N Engl J Med 2014;373:263)
  3. severe consolidation in the left upper lobe (N Engl J Med 2015;373:1558)
  4. indistinct pulmonary vessels, perihilar and bibasilar opacities (N Engl J Med 2016;374:265)
  5. multifocal pathy air-space opacities, as well as indistinct pulmonary vasculature (N Engl J Med 2017;377:1278)
最近の論文(上記4と5)では,indistinct pulmonary vessels(不明瞭な肺血管陰影)と表記しながらconsolidationの代わりにopacitiesと表現している点に注目

おまけ
スリガラス陰影という表現は,胸部X線ではなくて胸部CTで使用したい用語
英語ではground-glass opacity,略してGGO(ジージーオー)と呼ばれている

(投稿者 川崎)

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