🎯 今週の一枚

労作時の息切れで来院した症例の頸動脈拍動

😉 閉塞性肥大型心筋症

• 舌圧子の鋭い上昇（spike）と，それに続く小さな隆起（dome）の二峰性パターン
• 頸動脈の二峰性拍動で英語ではbiphasic pulsepulsusまたはpulsus bisferiens（発音）
• 閉塞性肥大型心筋症で有名であるが，大動脈弁逆流でも出現例あり（鋭い2峰型）
• 二峰性拍動 biphasic pulse を呈した閉塞性肥大型心筋症の他の自験例 ➜ コチラ

😜 おまけ

• 肥大型心筋症では流出路狭窄の有無に関わらず駆出分画が亢進しているため，頸動脈の立ち上がり（衝撃波／percussion wave）は力強くなります．よってその後に続く小さい隆起は，意識しないと見逃しやすいので注意が必要です．これは大きな雑音に続く小さなⅢ音が聞き取りにくいのと同じ現象と思われます．なお頸部の触診の前に，血管雑音（bruit／ブルイ）がないことを確認することも重要です（頸動脈狭窄症例では塞栓症や虚血誘発のリスク）．

👿「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ（ウェブ版なら画面右の分類からも選択可）

（投稿者　川崎）