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2021-04-18

黒色食道 Black esophagus

  • 観念 上部消化管内視鏡検査で特徴的な食道粘膜の黒色変化を呈する疾患
  • 初報 米国の内科医Goldenbergらが報告(Gastroenterology 1990;98:493-6) 
  • 患者 糖尿病(特にDKA),感染症,腎不全,術後,癌の高齢者らに多い
  • 原因 現在のところ不明であるが,虚血および胃酸の逆流が推測されている
  • 症状 吐血または下血が主で,他に腹痛や嘔気,嘔吐,嚥下障害,貧血など
  • 治療 絶食(平均13日間),中心静脈栄養,胃酸分泌抑制剤などの対症療法
  • 予後 死亡率31.8%と不良(ただし急性壊死性食道炎そのものでの死亡は稀)
  • 合併 食道狭窄が10~20%に発症(一般に7~10日後にみられることが多い)



👺 診断基準胃と腸 2017年52巻5号) 
  1. 急性に生ずる食道粘膜全周性の黒色変化
  2. 病変の主座が下部食道(遠位側1/3)に認められ,胃粘膜は正常で胃粘膜との境界が明瞭
  3. 食道粘膜を損傷する他の要因がない

💁 食道に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

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