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2021-07-22

セロトニン症候群 Serotonin syndrome: SS

  • 概要 セロトニン作動性薬の投与が発症の原因で脳内セロトニン機能の異常亢進によって自律神経系症状を呈した病態
  • 薬剤 モノアミン酸化阻害薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI),三環系抗うつ薬の併用による報告が多い
  • 命名 米国のInselら(Am J Psychiatry 1982;139:954-5)(以前は5-HT behavioral syndromeと呼ばれていた)
  • 症状 神経筋(腱反射亢進・ミオクローヌス),自律神経(発熱・頻脈・発汗・下痢・皮膚紅潮),精神変化(不安・焦燥・錯乱)
  • 経過 約75%の症例で原因薬剤の投与開始または用量変更後24時間以内に発症して,約60%で断薬後24時間以内に改善する
  • 頻度 セルトラリンやパロキセチンなどの5種類のSSRIを単剤のみ過量服用した469例中67例(14%)と決して稀ではない
  • 鑑別 悪性症候群甲状腺クリーゼ,脳炎,中枢性抗コリン薬中毒,抗うつ薬の離脱症候群(安易にうつ病の悪化としない)
  • 治療 原因薬剤の中止+補液や体温冷却などの保存的な治療が中心になる(セロトニン症候群の予後は一般的に良好)


分かりやすいイメージ

日内会誌 2007;96:1627-33より引用/上記の文献5はコチラ

(投稿者 川崎)

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