- 向精神薬(特にドパミン系刺激薬)などの中断や開始に伴って高熱や意識障害,強直を生じた症候群
- 英語ではNeuroleptic Malignant Syndrome (NMS) であるが,フランス語のSyndrome Malinの方が有名 ★
Levensonらの診断基準 ➤ 大症状3項目または大症状2項目+小症状4項目で確定
- 大症状:発熱,筋強剛,血清CKの上昇
- 小症状:頻脈,血圧の異常,頻呼吸,意識変容,発汗過多,白血球増多
Popeらの診断基準 ➤ 3項目を満たせば確定,2項目とその他の1項目なら可能性が高い
- 発熱(他の原因がなく、37.5℃以上)
- 錐体外路症状(2つ以上):鉛管様筋強剛,歯車現象,流涎,眼球上転,後屈性斜頚,反弓緊張,咬痙,嚥下障害,舞踏病様運動,ジスキネジア,加速歩行,屈曲伸展姿勢
- 自律神経機能不全(2つ以上):血圧上昇(通常より拡張期血圧が20mmHg以上上昇),頻脈(通常より脈拍が30回/分以上増加),頻呼吸(25回/分以上),発汗過多,尿失禁
- その他:意識障害,白血球増加,血清CKの上昇
Caroffらの診断基準 ➤ 5項目全てを満たせば確定
- 発症の7日以内に抗精神病投与を受けている事(デポ剤の場合2-4週間以内)
- 38.0℃以上の発熱
- 筋強剛
- その他(5つ以上):精神状態の変化,頻脈,高血圧あるいは低血圧,頻呼吸あるいは低酸素症,発汗あるいは流涎,振戦,尿失禁、CK上昇あるいはミオグロブリン尿,白血球増多,代謝性アシドーシス
- 他の薬剤の影響,他の全身性疾患や神経精神疾患を除外できる
DSM-Ⅳの診断基準
- 基準A:神経遮断薬の使用に伴う重篤な筋強剛と体温の上昇の発現
- 基準B(2つ以上):発汗,嚥下困難,振戦,尿失禁,昏迷から昏睡までの範囲の意識水準の変化,無言症,頻脈,血圧の上昇または不安定化,白血球増多,筋損傷の臨床検査所見(例:CKの上昇)
- 基準AおよびBの症状は,他の物質(例:フェンシクリジン)または神経疾患または他の一般身体疾患(例:ウィルス性脳炎)によるものではない
- 基準AおよびB の症状は,精神疾患(例:緊張病性の特徴を伴う気分障害)ではうまく説明されない
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