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2026-08-09

第55回(2020年)理学療法士国家試験


腱反射が亢進する疾患はどれか.







判定


😐 解説
  • 腱反射が亢進するのは上位運動ニューロン(錐体路)障害で、選択肢の中では多発性硬化症のみが該当する。多発性硬化症は中枢神経の脱髄疾患で錐体路が障害されるため腱反射亢進・病的反射陽性を呈する。
  • 多発性筋炎は筋自体の炎症性疾患、Guillain-Barré症候群は末梢神経の脱髄性疾患、尿毒症性ニューロパチーは末梢神経障害、Duchenne型筋ジストロフィーは筋線維の変性疾患で、いずれも腱反射は減弱

(投稿者 川崎)

2026-08-05

LLMNSS

  • Listeria、Legionella、Mycobacterium、Nocardia、Salmonella、Staphylococcus aureusをまとめた語呂合わせ
  • 共通点は、マクロファージ内で生存・増殖できる(細胞内寄生性)、あるいはそれに準じた性質を持つこと
  • 細胞性免疫(macrophage・T細胞機能)が低下した患者で重症化しやすく、βラクタム系の効果が乏しい
  • 感染防御にはTh1細胞・IFN-γによるマクロファージ活性化を主体とする細胞性免疫が重要になってくる

細胞性免疫低下で注意すべき病原体(LLMNSS)
特徴
Listeria monocytogenes 細胞内寄生菌の代表格。ステロイド使用者、高齢者、妊婦で重症化
Legionella マクロファージ内で増殖。細胞性免疫低下患者(ステロイド、TNF-α阻害薬使用者など)でリスク上昇
Mycobacterium(結核・非結核性抗酸菌) 古典的な細胞内寄生菌。Th1/マクロファージ系の破綻で顕在化
Nocardia 弱毒だがマクロファージ内で生存可能。ステロイド長期使用、臓器移植後などで日和見感染
Salmonella(特に非チフス性) 細胞内寄生性。細胞性免疫低下(HIV、鎌状赤血球症など)で反復菌血症をきたす
Staphylococcus aureus 典型的な細胞内寄生菌ではない。好中球機能異常(CGDなど)で重症感染を起こす代表菌


(投稿者 川崎)

2026-08-01

液性免疫と細胞性免疫

  • 今一度、頭を整理するため液性免疫と細胞性免疫をAIにまとめてもらいました
  • 下の表はClaude Sonnet 5、図はChatGPT-5.5による生成(重要情報は要確認)

液性免疫
Humoral immunity
細胞性免疫
Cell-mediated immunity
主役となる細胞 ナイーブB細胞 → 形質細胞(抗体産生)、記憶B細胞 ヘルパーT細胞(CD4、主にTh1)、細胞傷害性T細胞(CD8)、マクロファージ・NK細胞との連携
抗原認識の様式 B細胞受容体(BCR)が抗原の立体構造を直接認識(抗原提示を介さなくても認識可能) T細胞受容体(TCR)がMHC(HLA)上に提示されたペプチドを認識(CD8はMHCクラスⅠ、CD4はクラスⅡを介する)
エフェクター機構 抗体による中和、オプソニン化(貪食促進)、補体古典経路の活性化 パーフォリン/グランザイムによる標的細胞のアポトーシス誘導、Fasリガンド経路、IFN-γによるマクロファージ活性化
主な標的 細胞外の病原体・毒素(莢膜を持つ細菌、一部の寄生虫など) 細胞内寄生体(結核菌、リステリアなど)、ウイルス感染細胞、腫瘍細胞
誘導に関わる主なサイトカイン Th2・Tfh由来のIL-4、IL-5、IL-21(クラススイッチ組換えを促進) Th1由来のIFN-γ、IL-2(マクロファージ・キラーT細胞の活性化を促進)
臨床的な評価法 血清抗体価測定(ワクチン後の抗体獲得評価など)、免疫グロブリン定量 ツベルクリン反応、IGRA(インターフェロンγ遊離試験)
代表的な疾患・病態 液性免疫不全(無ガンマグロブリン血症)による反復性肺炎球菌感染、破傷風毒素への抗体応答 臓器移植拒絶反応、AIDSにおけるCD4減少に伴う日和見感染(結核、ニューモシスチス肺炎など)、腫瘍免疫



(投稿者 川崎)

2026-07-08

蜂窩織炎と炎症反応

  • 先日、炎症反応(白血球数やCRP)が正常である下腿の蜂窩織炎の症例を経験しました。発症直後ではなくて、下腿の発赤や腫脹、熱感、圧痛(ケルススの四徴候)はしっかりありました。 
  • 個人的には「蜂窩織炎の診断がどうなんだろ~」と思っていました。しかしその後、別の指導医の先生から、論文上は炎症反応が目立たない蜂窩織炎は意外に少なくないことを教えてもらいました。
  • 蜂窩織炎の症例で白血球増多とCRP上昇の頻度は、各々34~50%および77~97%だそうです(Neth J Med 2017;75:366-78Int J Dermatol 2010;49:1012-7J Infect 2005;51:383-9
  • 逆に蜂窩織炎で入院した259人中30.5%が誤診で、正しくはうっ滞性皮膚炎やうっ滞性潰瘍、痛風、心不全、非特異的浮腫、深部静脈血栓症だったようです(JAMA Dermatol 2017;153:141-6

- 蜂窩織炎:白血球数(A)、赤沈(B)、C反応性蛋白(C)、プロカルシトニン(D)と体温との相関 -

(投稿者 川崎)

2026-06-26

COXコックス:1 vs 2

  • シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)が遊離したアラキドン酸を酸化させてprostaglandins(PG)G2が形成される
  • その後に産生される各種PGsは,局所で増加した発痛物質ブラジキニンの痛覚受容体感受性の閾値を低下させ疼痛を増悪させる
  • NSAIDsはCOXの疎水性チャネルを封鎖することでアラキドン酸が酵素活性部位に結合することを防ぎ,抗炎症,鎮痛効果を発揮
  • COX-1は多くの細胞に構成的に発現し,胃粘膜,血管内皮,血小板および腎臓における組織保護作用を有するPGsの生合成に関与
  • 一方, COX-2は通常は細胞内にはほとんど存在しないが, 関節リウマチなど炎症組織において炎症関連細胞に著明に発現する


- NSAIDsCOX1 & COX2 -


(投稿者 川崎)

2026-06-21

Faget’s Sign ファジェ徴候

  • 通常では体温が1度上がるごとに脈拍は10 bpmほど増加
  • ファジェ徴候とはこの体温と脈拍の関係が乖離した状態
  • 本邦では比較的徐脈と呼ばれることが多い(過去の投稿
  • 由来はフランスの医師 Jean-Charles Faget (1818-1884)
  • ファジェは黄熱病の患者について1859年に報告した(
  • 通常のウイルスや細菌による感染症とは異なることが多い
  • 例:ブルセラ、クラミジア、レジオネラ、腸チフス、黄熱

(投稿者 川崎)

2026-06-17

黄熱おうねつ Yellow Fever

  • 黄熱はサル、ヒトおよび蚊を宿主とし、蚊によって媒介される疾患
  • ヒトが感染すると致命率は高いが(20%)、回復すると終生免疫
  • 現在でもアフリカ、南米などで地域的流行が発生し、旅行者が罹患
  • 患者数は南米とアフリカを合わせて年間約20万人といわれている
  • 潜伏期は3~6日で、発熱が突然出現する(インフルエンザに類似)
  • 頭痛、悪心・嘔吐、結膜充血、蛋白尿などが続き1~3日で回復する
  • 重症では相対的徐脈、黄疸・出血・蛋白尿(古典的三徴)、せん妄
  • 診断は血液ウイルス分離やPCR遺伝子検出、ペア血清、IgM抗体
  • 治療は対症療法のみ(弱毒生ワクチン接種による予防が最も重要)


黄熱リスク国・地域へ入国する10日前までに黄熱の予防接種

😶 おまけ
  • Yellow Feverという病名は、17〜18世紀のカリブ海・中南米での大流行の際、黄疸+発熱を呈して死亡した患者に由来するのだそうです。
  • 日本語の黄熱はこの直訳です。スペイン語はfiebre amarilla、ポルトガル語はfebre amarelaで、共に黄色い熱を意味(生成AI:Claude)

(投稿者 川崎)

2026-05-26

Selective decontamination of digestivetract:SDD 選択的消化管内殺菌法

  • 重症患者の院内感染(内因性+外因性)を最小限に抑える予防戦略
  • 吸収されない経口および腸内抗生物質と非経口抗生物質を使用する
  • 口腔咽頭および腸管の好気性グラム陰性微生物やMSSA、酵母など
  • 60件以上のランダム化比較試験(RCT)で死亡率低下(NNTは約18)
  • 集中治療医学でエビデンスがあるにも関わらず普及率は極めて低い
  • 参考:ICU感染症の原因は、一次内因性>二次内因性>外因性の順

選択的消化管除菌戦略:経口摂取(通常のSDD)+口腔咽頭に局所適用(SODともいう)

(投稿者 川崎)

2026-05-24

鼻疽びそ 類鼻疽るいびそ

  • 鼻疽は鼻疽菌 (Burkholderia mallei) が感染することによって起こる人獣共通感染症。おもに馬やロバに感染するが、ときにヒトにも感染する。 
  • 類鼻疽は類鼻疽菌 (Burkholderia pseudomallei)によって起こる人獣共通感染症。土壌や池の水など環境中から菌が分離されることがある。
  • いずれも東南アジア、アフリカ、中東地域などの熱帯・亜熱帯地域に分布し、自然感染の例がこれらの地域において散発的に発生している。
  • 鼻疽菌、類鼻疽菌、ともに感染症法にて4類感染症に分類されているため、診断後直ちに最寄りの保健所に届出を行う義務がある。 
  • 鼻疽は致死的感染~数年の潜伏感染など多彩。急性例では1~14日間の潜伏期を経て創部や鼻粘膜の感染およびリンパ節炎など。
  • 類鼻疽は、急性・慢性,局所性・全身性、顕性・不顕性の形態があり、菌血症・急性敗血症型、肺型、局所型、不顕性型に4分類
  • 採血では白血球数増加+核の左方移動を伴うが特徴的な生化学的所見はなし。確定は血液、喀痰、穿刺検体などの培養による同定
  • 治療は抗菌薬(特に鼻疽では早期の抗菌薬投与が必要)。利用可能なワクチンない。鼻疽菌、類鼻疽菌は生物兵器のリスクあり


類鼻疽(melioidosis、メロイドーシス)の発生率

(投稿者 川崎)

2026-04-25

キャサヌル森林病 Kyasanur forest disease

  • 概要 フラビウイルス科のキャサヌル森林病ウイルスによる感染症
  • 経路 主にマダニとげっ歯類で感染環が維持→刺咬によりヒト感染
  • 症状 潜伏期間は3~12日で、発熱や頭痛、筋肉痛、咳嗽を生じる
  • 経過 約40%に出血性肺水腫→一部は寛解後に髄膜炎や脳炎を発症
  • 予後 致死率は3~5%であるが、基本的に後遺症を残すことはない
  • 診断 血液や髄液のPCR、IgM抗体の検出、ペア血清による判定など
  • 地域 インドの南西部が主な流行地で、年間400~500人が発症する
  • 治療 有効な抗ウイルス薬は未開発で対症療法(予防では刺咬回避)



👿 おまけ
  • キャサリヌス森林という名称は、この病気が1957年3月にインドのカルナータカキャサヌール森林地帯にあるカッティナケレ村で初めて報告されたためだそうです。当時はサルの間で流行したため、地元ではサル病(monkey disease)またはサル熱(monkey fever)としても知られているようです。
  • サル痘(Monkeypox)は、差別的表現を避けるため最近、エムポックス(Mpox)に改称されました。地域差別や偏見を避けるため、WHOは病名への地名使用を控えるよう勧告しています。キャサヌル森林病という病名が消えるのも近いかも…ちなみに本邦では、同疾患は4類感染症に指定されています。

(投稿者 川崎)

2026-04-23

今週の一枚 🎯

温泉に行った後に発熱と咳嗽が続く若者

👾 解説
  • 採血でCRP 16 mg/dL, CK 970 U/Lであった.Na値は正常範囲内であったが,温泉後の発熱などから,レジオネラ肺炎を強く疑った.しかし迅速尿中レジオネラ抗原は陰性であった.咽頭ぬぐい液のパネル検査を追加したところ,マイコプラズマPCR陽性が判明した.他のインフルエンザ・コロナ・百日咳.アデノ・RS・パラインフルエンザなどはすべて陰性.マクロライド感受性マイコプラズマであったため,アジスロマイシンの点滴で加療した.

😊 独り言
  • 病歴聴取(to obtain a thorough history)と身体所見(to perform a physical examination)が臨床推論において重要であることは言うまでもありません.本例の初期対応にあたった研修医らはこの点,とてもしっかりしていました.最終診断はレジオネラ肺炎ではありませんでしたが,逆にこのような体験を共有することも重要と思われます.なおCK上昇の原因は頻回な咳嗽?

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 林/川崎)

2026-04-08

多形滲出性紅斑 Erythema exsudativum multiforme

  • 丸く隆起した紅い皮疹が四肢に対称性に出現する皮膚疾患
  • 狭い範囲に皮膚病変が限局する軽症型は稀ではない (下図)
  • 原因は多様:ウイルス、細菌、真菌による感染や薬剤など
  • 原因不明の多形滲出性紅斑は春~夏にかけ若い女性に多い
  • 多形滲出性紅斑は皮膚所見の視診で診断できる症例が多い
  • 軽症例では皮膚にステロイド軟膏+痒みに抗ヒスタミン薬
  • 病変が皮膚や粘膜、眼、内蔵に病変が及ぶと重症型に分類
  • スティーヴンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症()

引用)日本臨床皮膚科医会、ほか
(投稿者 川崎)

2026-03-21

ボツリヌス菌 Clostridium botulinum

  • グラム陽性の偏性嫌気性桿菌で産生毒素が極めて致死的な神経麻痺を起こす
  • 同菌が産生する物質である神経毒素はその抗原性でA~Gの7型に分類される
  • 人を含む多くの脊椎動物が罹患し種族と毒素型は関連(人は主にA,B,E型)
  • 日本は1951年に北海道で「いずし」によるE型ボツリヌス中毒が初めて報告
  • 2004年までに計177件(患者541名、死者116名)の食餌性ボツリヌス中毒
  • 発生するボツリヌス中毒の原因菌型はその地域の土壌に分布する菌型と一致
  • 感染経路は毒素または多量の芽胞の食品、飲料水等への混入,または噴霧他
  • 潜伏期間は暴露された毒素量や芽胞量によるが、通常、数時間~48時間ほど
  • 入院期間は治療の開始時期や治療法により異なる(長期では数ヵ月におよぶ)
  • 症状は便秘や嘔気、嚥下困難、尿閉、口渇、複視、呼吸困難、歩行障害など
  • 診断は患者の血清および食品、飲料水などの毒素検査を行う(PCR法など)
  • 治療は呼吸管理(人工呼吸器)と共に速やかな抗毒素療法(抗生物質は無効)


- ボツリヌス菌の神経毒素の作用機序 -
神経毒素は血流にのって末梢神経前膜へ結合し、細胞内へ侵入、シナプス小胞とシナプス前膜のdocking/fusion complexの構造タンパク質を切断し、神経伝達物質(アセチルコリン)の放出を阻害する。


(投稿者 川崎)

2026-03-14

センメルヴェイス反射(Semmelweis reflex)

  • 誤りが認められず権力によって事実を捻じ曲げたり排除する行為のこと
  • 由来はハンガリー人の医師 Semmelweis Ignác Fülöp(1818年 - 1865年)
  • 彼はウィーン総合病院産科で出産した母の死亡率が高いことに気付いた
  • その原因は産褥熱で分娩担当医の汚れた手にあるということを主張した
  • その予防法として塩素による消毒法を提唱し、死亡を劇的に減少させた
  • しかし細菌の概念が未確立な当時、彼は多くの医師たちから反感を買う
  • (医師自身が原因で患者が死亡しているという事実を多くの医師が拒絶)
  • センメルヴェイスはくじけなかったが、最終的に精神病院へ隔離された
  • その後、病院の衛兵から受けた暴力による傷が元で敗血症のために死亡


ウィーン総合病院の母体死亡率の推移
ウィーン総合病院が1823年に死後解剖を日常診療として導入して以来、1000件の出産あたりの妊産婦死亡数の推移を示している。1833年に産科が分割された後、両産科でほぼ同数の医学生と助産婦研修生が分娩を担当した。しかし、1839年には、第一産科は専ら医学生を対象とし、彼らは剖検も行い、第二産科では助産婦研修生が分娩を担当するようになった。ゼンメルワイス博士が1848年に塩素溶液による手洗いの習慣を導入して初めて、第一産科における1000件の出産あたりの妊産婦死亡数は減少し、第二産科とほぼ同等になった。(AI訳)

(投稿者 川崎)

2026-03-13

M検(エムけん)

  • 先日、坂本二哉先生の新刊「戦慄の東大病院」を読んでいたら、M検という用語がでてきました。本文中の説明(パンツを下ろしておちんちんと睾丸を握ること)から意味は分かりましが、Mってなんだろうと思ったので調べてみました。

M検(エムけん)💦
  • 男性の生殖器露出検査を意味する俗語。Mは、サンスクリット語の男根を意味する「魔羅」に由来する「M」や英語の "Membrum"の頭文字に由来
  • 1871年春に大阪兵学寮で行われた日本で最初の徴兵検査が始まった。疾病や欠損があれば兵役に適さない者として除外を目的としたものである。
  • 全身脱衣で、鼠径部、睾丸、陰茎の目視と触診を行った。具体的には、包皮をめくり亀頭を露出し、臀部を開脚させ痔疾、痔瘻の有無を検査した。

(投稿者 川崎)

2026-02-11

感染性動脈内膜炎 IEA: infectious endoarteritis

  • 感染性大動脈炎と感染性動脈炎という共通した病態の包括
  • 院内で突然死133例の剖検で6例が感染性動脈内膜炎の所見
  • 動脈壁の破壊で瘤形成~破裂切迫なら制御困難で外科治療
  • 顕性化した時点では治療抵抗性で高い死亡率を有する疾患


- 感染性動脈内膜炎の初期から経過を追うことができた例 -

👺 発生機序(動脈は感染に対して強い抵抗性を有す)
  1. 血管栄養血管への細菌性微小塞栓(主に感染性心内膜炎が原因)
  2. 近接感染巣からの進展
  3. 遠隔一次感染巣からの血行性播種
  4. 動脈壁への外傷と直接のコンタミネーション


    (投稿者 川崎)

    2026-02-05

    今週の一枚 🎯 エコー前に診断

    発熱と嘔吐を訴える高齢者(大動脈弁位生体弁)


    (投稿者 川崎)

    2026-02-03

    分類不能型免疫不全症 CVID: common variable immunodeficiency

    • 概略 抗体欠乏を主とする原発性免疫不全症
    • 病因 多くは原因不明(一部は常染色体遺伝)
    • 症状 副鼻腔~肺の細菌性感染症を繰り返す
    • 疫学 20~40代での診断が多い(性差はない)
    • 診断 IgG低値と他の免疫不全疾患の除外ほか
    • 合併 脾腫,LN腫脹,自己免疫疾患,癌など
    • 治療 予防的IgG補充療法+感染時に抗菌薬


    - CVID:除外すべき疾患と含まれる病態 -

    (投稿者 川崎)

    2026-01-15

    今週の一枚 🎯

    高齢者:足趾の痺れ→腰痛と発熱

    😈 化膿性椎間板炎
    • X線:腰椎骨棘著明 ➜ DISH?(下記参照)
    • CT:L4/5椎間板の周囲に脂肪織濃度の上昇
    • MRI:同椎間板腔に液貯留かつ前方に連続
    • 高度の変形性変化+両側の外側陥凹狭小化
    • ドレナージ液から黄色ブドウ球菌(MSSA)

    😐 DISH(ディッシュ)
    • 脊椎および脊椎外に特徴的な骨増殖(骨化) を呈する変性疾患
    • びまん性特発性骨増殖症 Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis
    • 糖尿病,高血圧,肥満,呼吸器疾患などと合併することが多い
    • 本邦での頻度は6~12%(70歳以上の男性に限定すると約50%)
    • 機序は解明されていないが骨形成障害の疑い(遺伝的な要因?)


    👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

    (投稿者 川崎)

    2026-01-11

    Carditis 心[臓]炎

    • リウマチ熱の心炎は,リウマチ熱の主症状で関節炎に次いで2番目に多い症状である.小児では初発例の約50~60%に出現する.頻脈・心雑音で気づかれることが多く,発熱・関節炎の出現後,1~2 週間以内の出現が多い.重症度はさまざまで,軽症で一過性のものから劇症型で死に至るものもある.汎心炎であり,心内膜,心筋,心膜すべての炎症を引き起こすが,多くは弁膜炎を中心とした心内膜炎である.心内膜が最も侵されやすく,心内膜炎のない心筋炎・心膜炎は稀である.


    • The incidence of Lyme disease in the USA is 8 per 100 000 cases and 95% of those occur in the Northeastern region. Cardiac involvement occurs in only 1% of untreated patients. We describe the case of a 46-year-old man who presented with chest pressure, dyspnoea, palpitations and syncope. He presented initially with atrial fibrillation with rapid ventricular response, a rare manifestation of Lyme carditis.


    😐 独り言
    • Carditisという用語は成人を対象とする循環器内科医が使うことはほとんどないと思います.通常はもっと具体的に記載します(例:心筋炎,心膜炎,心内膜炎).しかし学会用語集には心[臓]炎の邦訳で収載されています.
    • 調査範囲では,英語論文ではライム病での使用が最多でした(日本語ではライム病自体が稀なためかごく僅か).他は膠原病やリウマチ,COVID-19などに生じた心臓合併症として使用.さらに(なぜか)小児領域で散見😶

    (投稿者 川崎)