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2021-04-30

マスクでマスク

NT-proBNP値の軽度上昇で受診した無症状の症例



(投稿者 川崎)

2021-04-29

🎯 今週の一枚

慢性左心不全の1例に座位で深呼吸負荷



(投稿者 川崎)

2021-04-28

LOX-index® ロックス・インデックス

  • 脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを予測する指標(健診でのオプション設定が多い)
  • 酸化変性LDLコレステロールと血管内皮タンパク(sLOX-1)を乗じて算出される
  • sLOX-1はLOX-1(血液中から異物を取り除く働きがある)が血中に溶け出した状態
  • 2,437人を平均11年間追跡した吹田スタディから考案(Clin Chem 2010;56:550-8
  • 高値なら冠動脈疾患の発症リスクが高く,低値なら虚血性脳卒中のリスクは低い
  • 二次検査としては頸動脈エコーやABI,精密検査としては頭部MRI/MRAや心臓CT他

つまり血中のsLOX-1が超悪玉コレステロールを補足して血管壁に運ぶ

💁 LDLコレステロールに関連する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-27

超強化型介護老人保健施設

介護老人保健施設(老健)の分類
  1. 超強化型
  2. 在宅強化型
  3. 加算型
  4. 基本型
  5. その他

超強化型老健の条件
  • 在宅復帰・在宅療養支援等指標 ➜ 70以上
  • 退所時指導 ➜ 要件あり
  • リハビリテーションマネジメント ➜ 要件あり
  • 地域貢献活動 ➜ 要件あり
  • 充実したリハビリ ➜ 要件あり

👦 おまけ 
  • 超強化型老健は厚生労働省が定める上記要件を満たした機能が最も高い介護老人保健施設です.当院の隣にあるパナソニック健康保険組合 松下介護老人保健施設「はーとぴあ」も超強化型老健です.
  • 超強化型介護老人保健施設は平成30年5月時点の7.4%から令和元年11月時点で20.6%に増加しているようです.”超”強化型ってインパクトのある名称だけど,お役所の命名としては”超”稀かも?

💁 介護に関する過去の投稿 ➜ コチラ(ウェブ版なら右欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2021-04-26

♒ ブルブル症例

健診で心電図異常を指摘された無症状の症例

👯 二峰性心尖拍動(Double apical impulse)
  • 触知できるⅣ音(atrial kick)+心肥大による抬起性拍動で構成されている.ダブルインパルスは触診では分かりやすいが,視診ではなかなか伝わりにくい(触ってナンボの法則 症例1症例2
  • 当院の最新データでは,二峰性心尖拍動は肥大型心筋症では83例中22例(27%)に観察できるが,他疾患では104例中2例(2%)とかなり稀.同所見の循環器外来での肥大型心筋症に対する診断能は感度27%,特異度98%,正診度66%

👬 独り言
  • 二峰性心尖拍動のように身体所見には様々な”二峰”があります.見て聴き触るブル+ブル=ブルブル=ダブルです.心臓フィジカル広場には多数のブルブル症例がアップされているので確認してみてください(コチラ

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-04-25

😽 キャット・ミール CAT MEAL 

  • 薬物中毒時の透析適応は体内分布,半減期,淡白結合率,分子量などで決定されます
  • 大まかな透析適応は ”血液吸着法=CAT+血液透析法=MEAL” と覚えておけば楽です

  1. Carbamazepine ➜ カルバマゼピン(+カフェイン?)
  2. Anticonvulsants ➜ 抗けいれん薬(フェノバルビタールやフェニトリン他)
  3. Theophylline ➜ テオフィリン

  1. Methanol ➜ メタノール
  2. Ethylene glycol ➜ エチレングリコール
  3. Aspirin ➜ アスピリン
  4. Lithium ➜ リチウム

🍖 独り言
  • ライオンやトラ,チーター,ヒョウなどネコ科の動物は肉食性が強いことが知られています.よって基本的に猫も肉食です(犬は雑食).猫の食事であるCAT MEALはドロドロなのですぐに透析と考えるとこの語呂合わせは覚えやすいかも...

💁 中毒に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)

2021-04-24

SDCAサイクル

👻 PDCAサイクルは医療現場でもよく耳にしますが,最近はSDCAサイクルも然りです

💿 SDCA
  1. Standardize(標準化)
  2. Do(計画実行)
  3. Check(進捗評価)
  4. Action(改善行動)

😐 独り言
  • つまり…PDCAサイクルを回して品質改善を行い,SDCAサイクルを回して良い状態を維持管理 ➜ 両者は良好なプロセスを維持するための両輪!

(投稿者 川崎)

2021-04-23

ばち指 vs 結核

ばち指自体は、今のところ血小板由来増殖因子(PDGF)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が肺の毛細血管で除去されないことで末梢組織まで流れ、指尖部の結合組織を肥厚させていると考えられています。肺癌では肺の毛細血管が破壊されることで、これらの因子を捕集することができなくなるため、ばち指になると考えられます。特発性肺線維症でばち指が見られるのも同様の理由だと考えられます。

😗 では、なぜ "結核ではばち指が見られない" かについてですが、僕なりに2つの仮説を立て、それぞれについて考えてみました。
  • 仮説1 結核の好発は肺尖部であることから、肺尖部の毛細血管は、増殖因子の捕集に重要な役割を担っていない ➜ 今回の患者さんのようにPancoast腫瘍であってもばち指が見られるため恐らく違う
  • 仮説2 結核の病巣部で毛細血管が保たれているから、増殖因子が末梢に出てこない ➜ このことについて調べてみると、めちゃくちゃ昔の文献ですが、こんなものがありました ➜ 論文

上記研究では、細葉性結節:毛細血管の異常構造、破綻なし小葉性乾酪性病巣:乾酪壊死巣では毛細血管が消失しているが、周囲で毛細血管が発達していると総括されています。結核では乾酪壊死巣で毛細血管の破綻が起きたとしても、周囲で毛細血管が発達することで増殖因子の捕集には影響を及ぼさないと考えられます。これは、仮説2を支持するのではないかと考えています。

😑 しかし、いくつかの文献を読んでいると、結核患者の1/3でばち指が観察できた、というものもあります。
ただこれらの調査対象はアフリカ地域であり、結核に対する医療が十分でないということが書かれているため、不十分な治療では毛細血管の破綻を来す可能性がある、とも読み取れるかなと思っています。とはいうものの、上で紹介した日本の臨床研究に関しても、昭和28年時点で日本の結核治療がどのようなものだったのかは僕自身よく分からない、、、ということがlimitationです。

🏃 感想
  • 国試的には、ばち指は特発性肺線維症で見られるがCOPDでは見られない、ということが有名で、COPDでは血管破綻しないんかなっていうところが現在の疑問です。

(投稿者 土橋)

2021-04-22

🎯 今週の一枚

胸痛で循環器内科を紹介受診した症例


(投稿者 川崎)

2021-04-21

C7-HRP シーゼブンハープ

  • サイトメガロウイルス(cytomegalovirus,CMV)pp65抗原のこと
  • モノクローナル抗原を用い,CMV血症の感度93.5%,特異度94.3%
  • 臓器・造血幹細胞移植後,HIV,高度細胞性免疫不全に対象が限定
  • 検体は血液(EDTA-2Na加)3.0mlで解析に2~4日を要する(SRL
  • 採血後時間が経つと検出率が低下するため夜間や休日の検査は不可

🍬 保険収載されている検査
  1. CMV抗原血症検査(CMV pp65抗原定性,保険点数398点)
  2. CMV抗体価(保険点数79点)
  3. CMV IgG,IgM抗体検査(保険点数220点)
  4. CMV核酸定量(最近承認:保険点数450点)


💁 ウイルスに関する過去の投稿 ➜ コチラ(ウェブ版なら右欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2021-04-20

たかが…されど…

🙊 生あくび(yawning)の背景にあった疾患

🏃 感想
  • 神経変性疾患が隠れている場合,あくびの頻度がかなり高くなることや,消化器系の疾患では,あくびとの関連があまりなさそうだということが意外でした.

(投稿者 土橋)

2021-04-19

シーソー運動パート2

心雑音を指摘された症例

🐧 解説
  • 鎖骨上窩に間欠的な隆起あり ➜ 触診からa波(前収縮期)
  • 胸骨柄の頸切痕の頭側にもa波に少し遅れる間欠的な隆起
  • この隆起は触診で動脈性拍動(おそらく動脈蛇行も合併)
  • さらに明瞭なスリル有(指腹の圧センサーは視診に勝る)
  • その後の心エコー図で超高度の大動脈弁狭窄が判明した

🐦 つぶやき
  • 鎖骨上窩の内頸静脈a波(前収縮期)と胸骨柄頸切痕頭側の動脈波(収縮期)が織りなすシーソー運動にしばらく見とれていました.肥大心に伴うa波の明瞭化と大動脈弁狭窄に伴う遅脈の組み合わせがこの様な連携を作り出しているのだと予想します.身体所見は常に多弁です.「今日はどこまで気付けるかな…」と考えながら診察を行うと診察がより楽しくなります.つい最近,別のシーソーも見つけました(症例).

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-04-18

黒色食道 Black esophagus

  • 観念 上部消化管内視鏡検査で特徴的な食道粘膜の黒色変化を呈する疾患
  • 初報 米国の内科医Goldenbergらが報告(Gastroenterology 1990;98:493-6) 
  • 患者 糖尿病(特にDKA),感染症,腎不全,術後,癌の高齢者らに多い
  • 原因 現在のところ不明であるが,虚血および胃酸の逆流が推測されている
  • 症状 吐血または下血が主で,他に腹痛や嘔気,嘔吐,嚥下障害,貧血など
  • 治療 絶食(平均13日間),中心静脈栄養,胃酸分泌抑制剤などの対症療法
  • 予後 死亡率31.8%と不良(ただし急性壊死性食道炎そのものでの死亡は稀)
  • 合併 食道狭窄が10~20%に発症(一般に7~10日後にみられることが多い)



👺 診断基準胃と腸 2017年52巻5号) 
  1. 急性に生ずる食道粘膜全周性の黒色変化
  2. 病変の主座が下部食道(遠位側1/3)に認められ,胃粘膜は正常で胃粘膜との境界が明瞭
  3. 食道粘膜を損傷する他の要因がない

💁 食道に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-17

LV-Ao discontinuity 左室-大動脈不連続

  • LV=left ventricular(左室)+Ao=aortic(大動脈)+ discontinuity(不連続)
  • 感染性心内膜炎の弁輪部周囲膿瘍の拡大で大動脈基部の構造が破壊された状態
  • 確立された定義はないが,概ね大動脈と左室の接合が1/3周以上離断した状態
  • 治療困難(allograft再建,人工弁付き導管,Ross手術,ステントレス生体弁など)


図A~Cの*部分で左室と大動脈が不連続

💁 感染性心内膜炎に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-16

チェスルール CHESS rule

  • 失神症例の評価法で別名San Francisco Syncope Rule(Am J Emerg Med 2005;23:782-6
  • 以下に示す5項目の頭文字から構成され1つでも陽性であれば入院による観察が望まれる
  • 1週間以内の失神に関連した重大イベントの予測曲線下面積0.92(臨床医の判断は0.89)

  1. Congestive heart failure history(心不全の既往)
  2. Hematocrit(ヘマトクリットが30%未満)
  3. ECG abnormalily(心電図の新たな変化または非洞調律)
  4. Shortness of breath symptoms(息切れの症状)
  5. Systolic BP(トリアージ時の収縮期血圧が90mmHg未満)

🐎 独り言
  • チェスルールで失神患者をチェックメイト(王手詰み)という意味でしょうか? それとも単に覚えやすい語呂合わせでしょうか? 個人的には命名にもうひと工夫あればいいのにな~と思いました(イケてる実例).

サンフランシスコ 失神 ルール
(投稿者 酒井(健)/川崎)

2021-04-15

🎯 今週の一枚

心疾患を患う症例が最近,爪を切っても先がすぐ黒くなると訴えた



(投稿者 川崎)

2021-04-14

ショーン症候群 Shone's syndrome

  • 以下の4つを合併する先天性心疾患で別名はショーン複合(Shone complex)
  • 米国の小児外科医であるShoneらが報告(Am J Cardiol 1963;11:714-25
  • 病態は合併奇形の重症度によって規定されるが僧帽弁疾患と肺高血圧が重要

  1. Supramitral ring(僧帽弁弁上輪)
  2. Parachute mitral valve(パラシュート僧帽弁)
  3. Subaortic stenosis (大動脈弁下狭窄)
  4. Coarctation of the aorta(大動脈縮窄症)



👳 最近では以下の4病態も合併すると考えられている
  1. Bicuspid aortic valve and small aortic valve annulus(大動脈二尖弁および小大動脈弁輪)
  2. Cor triatriatum(三心房心)
  3. Hypoplastic (stiff) left ventricle(低形成の(硬い)左室)
  4. Small aortic arch(小大動脈弓)


💁 先天性心疾患に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-13

👀 結膜環蒼白 Conjunctival rim pallor

  • 貧血の有無は眼瞼結膜の蒼白で判断することが多いが,主観に大きく影響される.そこで推奨されるのが眼瞼結膜の手前(縁=rim)と奥を比較する客観的手法
  • 正常例では眼瞼結膜は手前(縁)は赤で,奥はやや薄い(下の図1).結膜環蒼白とは眼瞼結膜の手前(縁)と奥の色が同じ状態(下の図2)で,貧血の存在を示唆


(図1:正常例=結膜の手前が赤くて奥が薄い)

(図2:貧血例=結膜の手前と奥が同じ色調)


🉐 関連投稿(貧血編)

(投稿者 川崎)

2021-04-12

旅行者下痢とコレラ

💧 市中感染性下痢症
  • 細菌 ➜ カンピロバクター属,ウェルシュ菌,サルモネラ属,腸炎ビブリオ,下痢原性大腸菌など(夏季に多い)
  • ウイルス ➜ ノロウイルスとロタウイルスなど(冬季に多い)

💦 旅行者下痢症
  • 細菌性(約8割)➜ 下痢原性大腸菌,カンピロバクター属が多い.他にジアルジア,赤痢菌,コレラ菌,チフス菌,パラチフスA菌など
  • 寄生虫性(約1割)
  • ウイルス性(約1割)


👾 コレラ(Cholera) 
  • 原因 汽水域に棲息している細菌 Vibrio cholerae によるコレラ毒素
  • 特徴 急性炎症反応を生じることなく上皮細胞の吸収分泌機構を破綻
  • 経路 水や食物を介した糞口感染から成立(宿主となるのはヒトのみ)
  • 潜伏 数時間から5日間(通常は1~3日位)で突然の大量下痢で発症
  • 疫学 本邦で年10例程(多くはフィリピン,インド,タイの海外渡航)
  • 症状 1日10㍑~の下痢(腹痛や悪心,嘔吐は比較的軽度で発熱は稀)
  • 便性 “米のとぎ汁様”の白色〜灰白色の水様便で,甘くて生臭いにおい
  • 治療 大量補液+ニューキノロン系抗菌薬(耐性ならアジスロマイシン)


 😐 独り言
  • コレラは有名な病気だけど意外に診断方法は知られていないと思います.グラム染色ではコンマ状の湾曲したグラム陰性桿菌で,流れ星様の運動を認めると報告されていますが,検鏡による診断は困難なようです.通常は下記の様な特殊培地で培養して診断します(概ね24時間で推定可能).当院の細菌検査室では10年以上,コレラ菌は検出されていないようです.

(投稿者 川崎)

2021-04-11

日本内科学会ことはじめ2021より

😀 個人的に気になった演題

演題 7 急性壊死性食道炎による黒色食道を合併した糖尿病性ケトアシドーシス

演題 8 Hamman症候群を合併した糖尿病性ケトアシドーシスの一例
  • Hamman症候群とは直接的な外傷や食道破裂などの原因を伴わずに発症する縦隔気腫のこと.特に糖尿病性ケトアシドーシスに合併することが知られている.

演題 91 坑GPIHBP1抗体による高中性脂肪血症を繰り返した一例
  • GPIHBP1(グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー高比重リポ蛋白結合蛋白1)は毛細血管内皮細胞で発現する蛋白で,リポ蛋白リパーゼと結合し毛細血管腔内の作用部位まで運ぶ.高トリグリセリド血症の一因としての坑GPIHBP1抗体があることが比較的最近に報告された(N Engl J Med 2017;376:1647-58).

演題 126 炭酸リチウムによる腎性尿崩症にラトケ嚢胞によるバソプレッシン分泌不全の併発が疑われた一例
  • ラトケ嚢胞とは胎生期の遺残組織(Rathke's pouch)から発生する非腫瘍性嚢胞性病変である.多くは正常下垂体の前葉と後葉の間に進展し,視神経・視交叉・視床下部などの圧迫やホルモン異常を来したりすることがある.

演題 195 初めてのサーフィンでご注意を!!Surfer's Myelopathyの3例
  • Surfer's Myelopathyは2004年に初めて報告された疾患観念で,40歳未満のサーフィン初心者に生じることがある非外傷性脊髄障害である.サーフィン🏄のパドリング中の体幹進展による脊髄虚血が原因と考えられている.

😎 当院からの発表演題
  • 演題 63 ペースメーカ植込み時にリードが経胸壁心エコー図で描出できないキアリ網に捕捉された1例(循環器内科 酒井健紀先生)
  • 演題 166 亜鉛過剰摂取にともなう銅欠乏性貧血,白血球減少を来した一例(総合診療科 堀内萌生先生)
  • 演題 189 慢性下痢・習慣性顎関節脱臼を伴った非アルコール性Marchiafava Bignami病の1例(総合診療科 塩見海斗先生)
  • 演題 277 血球貪食症候群を合併した甲状腺クリーゼの一例(総合診療科 神浩司先生)

😃 皆とてもいい発表でした(塩見先生と大神先生は優秀演題賞ゲット!)

💁 “学会”に関連する過去の投稿 ➜ コチラ(ウェブ版なら右欄からも選択可能)
(投稿者 川崎)

2021-04-10

メネトリエ病 Ménétrier's disease

  • 蛋白漏出を伴う巨大胃雛襲を特徴とする肥厚性胃炎
  • フランスの病理学者 Ménétrierが1888年に報告(
  • 40から60歳の男性に多く胃がんのリスク因子になる
  • 経過は多様:短時間で改善~難治性の経過で胃全摘
  • 原因は不明(H.pylori やサイトメガロウイルス?)



💁 “巨大”に関連する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-09

ブルガダ症候群:日常生活の注意点

日本循環器学会の「遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017年改訂版)」の記載は以下の4項目(41ページ)
  1. Naチャネル遮断薬(キニジンなど一部のものを除く)は心電図異常を増強させ,不整脈発作を惹起する可能性があるため,負荷試験を除き使用を避ける.
  2. 過度の飲酒は避ける.
  3. 発熱時にはすみやかな解熱を図る.
  4. 経過観察例において,あらたに失神が出現した場合には直ちに受診する.

😗 独り言
  • 従来から無症状例あるいは家族歴がない症例ではブルガダ型心電図と言っていましたが,最近では特徴的な心電図所見(Type 1=Coved型)のみでブルガダ症候群と診断することが多いようです(参考).
  • Brugada症候群の治療フローチャート(同ガイドラインの図12/41ページ)には「慎重な経過観察」の記載を複数個所で認めます.具体策として上記の4項目を指導すればいいのかな~と思っています.
  • ドック健診センターを併設する当院では多くのブルガダ症候群(以前のブルガダ型心電図)の方が受診されます.上記4項目のうち,特に3の「発熱時にはすみやかな解熱を図る」は大切な気がします.

💁 ブルガダ症候群に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-08

🎯 今週の一枚

末期心不全で緩和ケア中の症例のモニター心電図



(投稿者 川崎)

2021-04-07

🏆 論文

  • 当院の初期研修医の堀内先生の論文が出版されました
  • 左心不全で発症し当初は拡張型心筋症が疑われました
  • その後に冠動脈造影で左主幹部の閉塞が判明しました
  • 冠バイパス術を施行 ➜ 最終診断は先天性左主幹部閉鎖



👿「論文」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2021-04-06

ナプロキセンテスト Naproxen test

  • 腫瘍熱と感染による発熱を鑑別する簡単な方法(腫瘍熱の特徴は下記の1〜6に記載)
  • 米国の内科医であるJC ChangとHM Grossらによる報告(Am J Med 1984;76:597-603
  • 腫瘍熱ならナプロキセン250mg1日2回で12時間以内に解熱(感度92%,特異度100%)
  • ナプロキセン以外のNSAIDsやステロイド,アセトアミノフェンは解熱効果がやや弱い

💣 腫瘍熱の特徴
  1. 少なくとも1日に1回は37.8°Cより高い体温
  2. 発熱が2週間より長く持続
  3. 感染のエビデンスなし(身体所見,採血,画像検査など)
  4. アレルギー機序なし(例:薬剤性,輸血,放射線,化学療法)
  5. 十分量の抗菌薬を少なくとも7日間投与しても反応なし
  6. ナプロキセンで速やかに完全解熱して投与中は継続

💁 腫瘍熱に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-04-05

昔,よく公園で遊びました

心電図異常で来院した症例の座位左前胸部(以前に半日間持続する胸痛あり)

📏 解説
  • 拍動の最外側点が左乳房より外側 ➜ 心拡大
  • 拍動の観察が2肋間で可能である ➜ 心拡大
  • 隆起の持続時間が長い(抬起性) ➜ 心肥大
  • 隆起または陥凹が不規則 ➜ 心房細動の疑い
  • 外側拍動の隆起が陥凹の時相で内側が隆起!
  • シーソー運動 ➜ 収縮期バルジ(心室瘤?)
  • 本例の最終診断は身体所見の通りであった
  • つまり前壁心筋梗塞+心尖部瘤+心房細動

🐙 独り言
  • 広い範囲で胸壁の拍動を認める場合,内側拍動は右室のことがある.通常は左室収縮が右室収縮よりも少し先行するが(実例),本例のように隆起がシーソーのように観察されることはないと思う.
  • 心尖拍動図で駆出点(E)後に続く収縮後期の小隆起(end-systole shoulder, ESS)の増大はbulge(出っ張りや膨らみの意味)と呼ばれ, 出現時相で収縮中期と収縮後期に分類できる.
  • 収縮期バルジは虚血性心疾患や圧負荷(大動脈弁狭窄や高血圧性心疾患など),左脚ブロック,閉塞性肥大型心筋症,僧帽弁逆流などで生じるが,本例のような心室瘤によるlate systolic bulgeが分かりやすい.
  • 収縮期バルジは狭心症の症例でも認められることが報告されている(Chest 1974;65:169-75).たこつぼ心筋症でも出現すると思われるが,まだ経験したことはない.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-04-04

  CBRNE シーバーン 災害  CBRNE defense

  • 人為災害の中の特殊災害(以下の頭文字から命名)
  • 従来のNBC災害に放射性物質と爆弾が追加された
  • テロ時はNBC・テロ災害やCBRNE・テロ災害と呼ぶ

  1. Chemical(化学的な)
  2. Biological(生物学的な)
  3. Radiological(放射線学の)
  4. Nuclear(核の)
  5. Explosive(爆発性の)

🉐 関連投稿(災害編)

(投稿者 川崎)

2021-04-03

侮るなかれ:右脚ブロックの急性心筋梗塞

🚑 臨床現場
  • 2時間前からの胸痛でERに搬入された患者さんの心電図が右脚ブロックでした.心電図は迫力に欠けたのですが,緊急カテーテルでは左前下行枝近位部の完全閉塞(側副血行路なし)でした.

👿 急性心筋梗塞を疑う例で心電図の左脚ブロックは予後不良のサインですが,右脚ブロックは現場であまり注目されていないと思います.あらためて急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)を「右脚」で検索すると,以下の3文がこそっと記載されているだけでした.
  1. 他にLAD 近位部閉塞の指標として,新規の完全右脚ブロックの合併やaVR誘導のST上昇も報告されているが,いずれも特異度は高いが,感度が低い(22ページ)
  2. LAD の近位部閉塞の指標としては,下壁誘導のST下降が最も有用とされ,他に新規の完全右脚ブロックの合併や aVR 誘導のST上昇が報告されている(29ページ)
  3. また,脚ブロック合併患者における STEMI の診断は二次性 ST-T 変化のため容易でないが,右脚ブロックや左脚ブロック合併患者(とくに後者)の予後は不良であり,再灌流療法の適応を迅速に判断することが重要である(29ページ)

👾 しかし右脚ブロックをなめてはいけないようです

研究1J Am Coll Cardiol 1999;34:389-95
  • 100症例の急性前壁心筋梗塞の検討では,完全右脚ブロックの頻度は6例(6%)で全例が近位部(前下行枝〜第一中隔枝)の閉塞(感度100%,特異度100%)
研究2J Am Coll Cardiol 1991;17:858-63
  • 急性心筋梗塞では,右脚ブロック伴う178例の予後は脚ブロックを伴わない754例よりも不良(院内死亡率32% 対 8%,退院後1年死亡率17% 対 7%)
研究3Eur Heart J 2012;33:86-95
  • 急性心筋梗塞6742例の検討で右脚ブロックの頻度は6.3%(2.8%は右脚ブロック以外の所見なし)で予後不要(院内死亡率は右脚ブロック14.3%,左脚ブロック13.1%,その他2.9%)

(投稿者 川崎)

2021-04-02

Mitral facies 僧帽弁顔貌

  • facies【名】外観や外見,相(発音 féiʃiìːz フェイシィイーズ 音声
  • 経過の長い僧帽弁狭窄例で認める特有の顔貌(両頬の紅潮+チアノーゼ)
  • この所見は酒さSLE丹毒,COPD+肺高血圧(下図)などでも生じる

👻 おまけ
  • 機序は完全には解明されていませんが,重度の僧帽弁狭窄症による低心拍出と低酸素血症のため,皮膚に血管拡張+チアノーゼが現れるようです.
  • faciesfaceの複数形ではなく,ラテン語のfaceに由来する名詞で単複同形です.ただしMitral faceの記載も散見されます(他にMitral hueもあり).

(投稿者 川崎)

2021-04-01

🎯 今週の一枚

全身浮腫で入院した症例



(投稿者 川崎)