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ラベル 麻酔 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2026-02-21

知っ得:ガイドライン

📗 12誘導心電図
  • 低リスク手術でのルーチンの術前12誘導心電図は推奨されない(推奨クラスIII No benefit・エビデンスレベル B)

📘 BNP/NT-proBNP
  • 中,高リスク手術において,臨床的リスクにて上昇リスク群(例 血管手術でRCRI 1項目以上,非血管手術2項目以上)では,さらなるリスクの層別化にBNPまたはNT-proBNPの測定を考慮してもよい(推奨クラスIIb・エビデンスレベル C)(付帯事項:アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬はBNP値に影響を与える可能性があり注意する.RCRI(Revised Cardiac Risk Index)「低リスク群」に測定する意義は低い)

📙 心エコー図
  • ルーチンの術前経胸壁心エコー図検査は推奨されない(推奨クラスIII No benefit・エビデンスレベル C)(付帯事項:臨床的に適応になるような状況では心エコー図検査を考慮してもよいが,心エコー図検査のためだけに必要な手術が遅れないように注意する)


(投稿者 川崎)

2025-12-23

昇圧薬:フェニレフリン塩酸塩  Phenylephrine Hydrochloride

  • 昇圧剤:ドブタミン(主にβ1受容体に作用),ドパミン(ノルアドレナリンの前駆体でドパミン・β1・β2・α受容体に作用),アドレナリン(α・β受容体に作用),ノルアドレナリン(内因性カテコラミンでβ1・α1受容体に作用)
  • いずれもβ1受容体に作用するため,頻脈や左室流出路狭窄を有する症例には使用が困難です.このように心臓の忍容性が低い患者に対する昇圧薬として,アドレナリン類似の構造を持つ選択的α1刺激薬フェニレフリンがあります.
  • 麻酔領域以外でフェニレフリンの使用経験が豊富なスタッフは限られていると思われるため,本ページに覚書を作成しておきます.静注した場合は即効性があり,作用時間はアドレナリンよりも長く5~10分だそうです(参考

🌓 商品名:ネオシネジン コーワ注 1 mg/5 mg(添付文書 PDF
  • 薬効分類名:血管収縮・血圧上昇剤
  • 禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 効能または効果:
    • 各種疾患若しくは状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療
    • 発作性上室頻拍
    • 局所麻酔時の作用延長

🌗 フェニレフリンの低血圧に対する実際
  • 機序:選択的α1刺激薬で心臓、気管、末梢血管のβ受容体にはほとんど作用しない
  • 適応:末梢血管収縮による昇圧薬として有用(心拍数が低下するので高度の徐脈となったときにはアトロピンで拮抗/血圧上昇の力価はアドレナリンの約1/5)
  • 実際:通常成人1回0.2mgを静注(0.1~0.5mgの範囲内で増減).持続静注は10~20µg/minで使用.2~5mgを皮下注または筋注する方法もあるが,即効性・調節性に欠ける.


(投稿者 川崎)

2025-10-14

術前絶飲食「2-4-6ルール」

  • 清澄水の摂取は年齢を問わず麻酔導入2時間前まで安全(推奨度 A)
  • 母乳の摂取は麻酔導入4時間前まで安全(推奨度 C)
  • 人工乳・牛乳の摂取は麻酔導入6時間前まで安全(推奨度 C)

💧 清澄水セイチョウスイ(クリアリキッド)
  • ここで言う清澄水とは,果汁を含まないジュースやコーヒー飲料など自由度が高く,各施設に適したものを選択できる.また,量については特に制限しておらず,こちらも自由度が高い.このように,このガイドラインは導入施設により,適した運用を選択することが可能であり,汎用性が高いといえる.


(投稿者 川崎)

2024-07-19

GABAA受容体

  • GABAはγ -aminobutyric acid の略で成熟脳での主要な抑制性神経伝達物質
  • A受容体(Cl-イオンに選択性)とB受容体(K+上昇やCa2+低下など)に二分
  • A受容体はGABAが結合し神経細胞膜電位の過分極で活動電位発生を抑制する
  • アルコールやベンゾジアゼピン(BZP),propofol他はGABAA受容体に結合



🍫おまけ
  • GABAと言えばチョコレートです.実際にリラックス効果があり(検討1),睡眠の質や認知機能に良い影響を与える(検討2)様です.
  • GABAチョコレートを食する時に,GABAA受容体が作用する上記の機序を思い出してみてください.よりリラックスできるかも...😁

(投稿者 川崎)

2023-10-20

輸液製剤:晶質液 vs 膠質液

🍵 晶質液(crystalloid/しょうしつえき)
  • 一般的な電解質輸液やブドウ糖溶液(生理食塩水や乳酸加リンゲル液など)
  • 2/3以上が血管外に分布するため血管内容量・血圧の保持には膠質輸液を併用

🍹 膠質液(colloid/こうしつえき)
  • 膠質浸透圧を生み出す輸液製剤(アルブミン製剤やデキストラン製剤など)
  • 血管内容量を増加させたいとき(血管内を狙った輸液)に使用されている

- 同じ膠質液でも分子量によって血管内に留まる時間は異なる -

(投稿者 川崎)

2022-10-10

呼気CO2測定装置:カプノメータ Capnometer

  • 呼気中の二酸化炭素分圧からPaCO2を推測する生体モニター(正常値は35~45 mmHg)
  • 手術室で頻用されているが近年,非挿管での呼吸モニターとしても関心が高まっている
  • 呼吸の評価は酸素化(パルスオキシメータ)換気状態(カプノメータ)の両方で評価


  •  非侵襲な連続モニターであるが経皮的に使用できない点が少し不便
  • しかしカプノメータは無呼吸の発生を最も早く感知できると思われる

💁 呼吸管理に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2020-11-18

BIS vs TCI

  • BISbispectral index(バイスペクトラルインデックス,二つの波長の指標)
  • 1994年に米国のAspect Medical Systems社(現Coviden社)が開発した指標
  • 全身麻酔中の鎮静度モニターで前頭部に貼付したセンサーから導出(下図)
  • BIS値は0(平坦脳波)~100(覚醒状態)で全身麻酔中は40-60の間を維持
  • 詳細なアルゴリズムは未公開であるが脳波をデータベースと比較して算出
  • 超高齢者や小児,脳機能障害例あるいは筋弛緩薬併用時には誤差に要注意

参考)医機学 2016;86:543-8,他

Wiki

  • TCItarget control infusion(目標濃度調節静注あるいは標的濃度調節静注)
  • 薬物動態モデルから予測された血中濃度を目標にプロポフォールの量を調整
  • BISと組み合わせて全静脈麻酔(TIVA,total intravenous anesthesia)が可能
  • 予測と実測の濃度差が大きいことがあり吸入麻酔薬と比べて個人差は大きい


日本臨床麻酔学会誌 2016;36:441-7/オリジナルは総合医学社 東京 2009:140-1)

💁「麻酔」に関連した過去の投稿は コチラ
(投稿者 川崎)

2020-08-02

ラリンジアルマスク LMA: Laryngeal mask airway

  • イギリスの麻酔科医Archie Brain (1942〜) が開発した(Anaesthesia 1982;37:345
  • 先端にカフが付いた気道確保に用いられる換気チューブの一つで省略名はラリマ
  • 確実性および侵襲性ではフェイスマスクと気管内チューブの中間の特性を有する

- 進化の歴史 -

- 設置位置 -


"ラリマ"の適応と禁忌


🉐 関連投稿(呼吸管理編)

(投稿者 川崎)

2020-06-14

プロポフォール注入症候群 PRIS

  • PRIS=PRopofol Infusion Syndrome ➜ プロポフォールの長期投与により発生する致命的な症候群
  • 主症状は肝腫大,脂肪肝,脂肪血症,代謝性アシドーシス,横紋筋融解やミオグロビン血症など
  • 機序はミトコンドリア機能の抑制と脂肪酸代謝の抑制によるATP産生低下および脂質過負荷など
  • 成人と比較して小児症例で多いため投与期間を限定することが大切(4mg/kg/h以下+48時間以内)
  • 初報は米国の麻酔科医(?)であるParkeらによる小児5症例の報告(BMJ 1992;305(6854):613-6


🉐 関連投稿(麻酔編)

(投稿者 川崎)

2019-12-16

ICUの鎮静・鎮痛

当院のモーニングカンファレンスから 💨

  • 『鎮痛(苦痛をとる)は十分に,鎮静は最小限に』が原則
  • 『患者が落ち着いて,苦痛がなく,協力的で,コミュニケーションがとれる状態』が理想的

レベルプレセデックスフェンタニルプロポフォールエスラックス
内科自発呼吸必要時必要時
術後自発呼吸必要時
内科人工呼吸必要時
術後人工呼吸必要時必要時

関連投稿 👀

(投稿者 川崎)

2018-02-05

分離肺換気

左右の肺を別々に換気する方法で,英語表記はdifferential lung ventilation
スウェーデンの臨床生理学者Carlens E.が開発(J Thorac Surg 1949;18:742-6

肺切除術中の片肺換気など患側肺と健側肺の換気パターンを独立して設定することができる
気管チューブがダブルルーメン構造で左用と右用がある (例 ブロンコ・キャス気管支内チューブ

胸部手術の歴史 💨
The history of anesthesia for thoracic surgery (MINERVA ANESTESIOLOGICA. 2007;73:513-24)
➜ 1880年頃から始まった歴史の総括で,昔の写真を見るだけでも楽しいよ 🙆

(投稿者 川崎)

2017-06-03

Oberst麻酔 オベルスト麻酔

指先の麻酔をするときに基部を麻酔して神経の支配領域をブロックする手技
通常は1本の指に対して背側に2本,掌側に2本の計4本の指神経が走行
別名はブロック注射・指ブロック・digital blockで,足趾にも応用可能である

ドイツの外科医Maximilian Oberst (1849–1925)が1882年に報告
(Public domain)

ポイント
 ・細い針(26G以上)でキシロカインを緩徐に注射して少し待つ
 ・エピネフリン添加薬は末梢循環不全のリスクのため避けること

(投稿者 川崎)