このブログを検索

ラベル 先天性疾患 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 先天性疾患 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026-06-27

4D Flow MRI

  • 心臓MRIは3次元でfull volumeのスキャンできるため(放射線被ばくなし/造影剤も不要),複雑な解剖を理解しやすい
  • 位相コントラスト法は傾斜磁場反転時のプロトン歳差運動を利用したスキャンで空間観測点の速度情報を得ることができる
  • 4D flow MRIでは心電同期シネ位相コントラスト法3方向をfull volumeで適用するため血行動態と心機能を同時に評価可能
  • 特に超音波カラードプラの到達しにくい大血管や右心系では大きな力を発揮するため先天性心疾患の外科手術において有用


4D flow MRIでみたFallot四徴症修復後の末梢肺動脈狭窄例
上段:Fallot四徴症一弁付きパッチでの修復後の30代女性の収縮期3Dでの流線.高度な肺動脈弁逆流に加えて右肺動脈の流線が高度に加速したうえで途絶していることがわかる.極めて強いbranchのPSであり,画像上も上行大動脈背側に狭小な右肺動脈を認める.
中段:術中所見.上行大動脈はいったん離断し,狭小な右肺動脈を末梢で離断.リング付き人工血管で右肺動脈を再建し,生体弁を挿入した人工血管で右室流出路再建,上行大動脈を人工血管で延長.
下段:術後4D flow MRI.良好に収縮した右室から流量の多い肺動脈血流が得られていると同時に流線は右肺動脈末梢まで繋がり,右肺動脈は大きく拡大していることがわかる.


(投稿者 川崎)

2026-04-13

心音クイズ(Q15・Q16)

  • 持田製薬さんと作成している心音クイズのシーズン2 第四弾です(GROUP T inc.さんにも感謝 🙏) 
  • 今回は心音の高みを目指した2症例です 😉(2年間継続した本シリーズも今回で最終回です:深謝)


心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2026-03-12

今週の一枚 🎯

中年女性の術前レントゲン

👀 頚肋けいろく(Cervical Rib)
  • 頚椎の横突起が先天的に過剰発達した状態(矢印)
  • 人口の約0.5~1%に発生して第7頸椎への付着が多い
  • 形状や付着部位は様々(片側性または両側性あり)
  • 多くの症例では症状なし(X線写真などで偶然発見)
  • 局所的な疼痛や周囲構造を圧迫時には介入が必要



👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-03-07

成人 PAPVR 👥 新生児 TAPVR

  • 成人を対象とする循環器内科ではPAPVR(partial anomalous pulmonary venous return;部分肺静脈還流異常症)を稀に経験します.特に心エコー図で冠静脈洞の拡大を認めた時に思い出したい3疾患の一つです.他はPLSVC(Persistent left superior vena cava;左上大静脈遺残)とCS-ASD([unroofed] coronary sinus atrial septal defect;冠静脈洞型心房中隔欠損症)です.
  • 先日,いつも人工心肺を対応しているCEさんに,小児心臓外科領域ではTAPVR(total anomalous pulmonary venous return;総肺静脈還流異常)と言えば,新生児緊急手術の代表疾患(ほぼ唯一?)だということを教えてもらいました.PAPVRは日常臨床で口にする略語ですが,TAPVRと聞いてあまりピンと来ませんでした.少し反省を込めて本ブログでまとめておきます.

💜 総肺静脈還流異常[症] PAPVR
  • 全肺静脈が左心房以外の体静脈系に異常に還流する先天性心疾患
  • TAPVRの別名はTAPVDまたはTAPVC (TAPV drainage or connection)
  • 全先天性心疾患の1.5~3%の発生頻度で男女比は1.7~2.1:1程度
  • Darling分類:肺静脈還流が上心臓型~50%,傍心臓型~30%(下図)
  • 新生児の多呼吸で100%酸素でも酸素飽和度が上昇しない時に疑う
  • 緊急外科手術が唯一の治療法(肺静脈低形成や術後再狭窄は不良)
  • ただし下心臓型TAPVRでは静脈管ステント留置なども可能(下図)


- TAPVR 総肺静脈還流異常の分類 -

- TAPVRに対し静脈管ステント留置を行った日齢7の新生児 -

(投稿者 川崎)

2026-03-04

クレチン症 Cretinism

  • 先天性甲状腺機能低下症(congenital hypothyroidism: CH)のこと
  • 発生頻度は3000-8000人にひとり程度で,性別は1:2で女児が多い
  • 症状は出生後に元気がない・哺乳不良・体重増加不良・便秘など
  • 長期的に身体成長不良や知的障害(特に出生後数ヵ月以内が重要)
  • 原因は甲状腺の無・低形成,異所性,ホルモン合成障害,中枢性
  • 症状の程度は軽症〜重症と個人差が大きく期間も永続性〜一過性
  • 生後5〜7日目にTSHの測定による新生児マススクリーニング検査
  • 母親の甲状腺疾患や抗甲状腺剤,過剰な海藻やイソジン摂取など
  • 治療は1日1回甲状腺ホルモン薬レボチロキシンナトリウムの内服
  • 3才以降の適切な時期に原因に対する検査(病型診断)を実施する


🔎 病名の由来
  • ヨーロッパの山岳地域などではヨード欠乏による風土病性クレチン症が少なくなく,当時これらの人々をフランス語で「crétin」と呼んでいました.これはchrétien(キリスト教徒)に由来し,「神の前では同じ人間である」という人道的な意味だったそうです.
  • その後cretinismという名称が医学用語として広まりましたが,cretinという言葉が英語圏では侮辱的な意味で使用されるようになりました.よって現代医学では先天性甲状腺機能低下症(congenital hypothyroidism: CH)という名称で呼ばれるのが一般的です.

(投稿者 川崎)

2026-01-25

血小板無力症(グランツマン病:Glanzmann’s thrombasthenia)

  • 概略 正常小板数にも関わらず出血傾向を呈する先天性疾患
  • 原因 血小板膜糖蛋白(GP)IIb/IIIa欠損で常染色体劣性遺伝
  • 由来 スイスの臨床医 Eduard Glanzmann (1887-1959) (
  • 頻度 最近の疫学調査はない(1986年の全国調査では222例)
  • 症状 鼻腔または口腔の粘膜、皮膚表層の出血が主体である
  • 日常 誘因なく治療介入を要す出血症状が出現することは稀
  • 指導 出血リスクや血小板機能を抑制薬剤(NSAIDs)の回避
  • 対処 圧迫止血および鼻や口腔の粘膜出血は抗プラスミン剤
  • 手術 重篤な出血や外科手術では血小板輸血が唯一の治療法
  • 経過 一般的には成人になるに従い出血症状は軽減していく


- 先天性血小板機能異常症の概念図 -

(投稿者 川崎)

2026-01-10

血管 りん Vascular Ring

  • 大動脈弓やその分枝が気管や食道の周囲を取り囲み圧迫する先天異常
  • 両側第4鰓弓動脈の遺残で重複大動脈弓 ➜ 一部の血管が退縮し血管輪
  • 重複大動脈弓によるものと右側大動脈弓に伴うものが多くを占めている
  • 右側大動脈弓では動脈管索例と動脈管索に加え鎖骨下動脈の起始異常例
  • 無症状~喘鳴,反復呼吸器感染,嚥下障害,頻回の嘔吐,体重増加不良
  • 重症の気管(支)軟化合併なら啼泣や哺乳で致命的呼吸不全(dying spell)
  • コメレル憩室(鎖骨下動脈起始部の瘤状拡張)による血管輪あり(下図)
  • 症候性なら早期に血管輪の解除術(+気管支や食道の再建術やステント)


- 血管輪による食道の後方圧迫像 -

図2. ( a ) 後方を向いた 3D 再構成の CT スキャンでは、異常な左鎖骨下動脈とコメレル憩室を伴う右側大動脈弓が示されている。 ( b ) コメレル憩室を伴う閉鎖遠位左大動脈部分を伴う二重大動脈弓を示す。CT スキャン 3D 再構成。 ( c ) 食道造影写真では、異常な鎖骨下動脈のコメレル憩室 (白い矢印でマーク) によって引き起こされる後方圧迫が示されている。 AA = 大動脈弓、KD = コメレル憩室、DA = 下行大動脈 (AI訳)

(投稿者 川崎)

2025-11-18

選択的 IgA 欠損症 Selective IgA deficiency

  • 基準 4歳以上でIgGとIgM欠損を伴わずIgAの値が7 mg/dl 以下
  • 頻度 本邦では0.007%と低いが欧米では最多の抗体産生不全症
  • 役割 IgAの多くは二量体で粘膜で中和作用(病原体を不活性化)
  • 原因 一部でTACI(B細胞TNF受容体スーパーファミリー)変異
  • 症状 約2/3は無症状,1/3に反復感染症(呼吸器,耳,消化管)
  • 対応 易感染例には予防抗菌薬/感染時には積極的抗菌薬投与
  • 合併 自己免疫疾患(SLEやITP)や悪性腫瘍,小脳失調症など


- 血小板減少症から選択的IgA欠損症と診断された妊婦 -

(投稿者 川崎)

2025-11-11

似て非なり

  • 染色体とは細胞の中にある構造体で複数の遺伝子が記録されています。そして遺伝子を構成するDNA(デオキシリボ核酸)の中に、特定の機能を有するタンパク質やRNAの設計情報が記録されてします。
  • よって染色体異常遺伝子異常は似て非なるものです。そして遺伝子異常の一つである多因子遺伝子疾患は、環境因子の影響を受けて、ほとんどの疾患の発症に関与していると考えられているようです。

🔩 染色体異常
  • ヒト染色体(2本1組で計23組46本)の数的異常あるい構造異常の総称
  • 数的はトリソミー(ダウン症候群やエドワード症候群)やモノソミー
  • 構造は欠失(5p欠失のクリ・デュ・シャ症候群)や重複、逆位、転座

🔗 遺伝子異常
  • 染色体に記録されている遺伝子の中で疾患発症に関連する異常のこと
  • 単一例では嚢胞性線維症(CFTR変異)やハンチントン病(HTT変異)
  • 多因子異常では二遺伝子が関与するの遺伝性難聴(GJB2とGJB6)など

(投稿者 川崎)

2025-11-08

肺動脈瘤 Pulmonary Artery Aneurysm

  • 先日、心エコー図カンファレンスで肺動脈瘤の症例を経験しました。この病態に詳しい参加者がいなかったため、その後に調べた内容をここにアップしておきます。
  • 日本循環器学会で公開されている各種ガイドラインでも「肺動脈瘤」に関する記載はほとんどありませんでした(個人的な検索では「肺動脈瘤」の記載は1件のみ)
  • 頻度 不明であるが剖検10,957例で8 例(0.07%)
  • 定義 未確立であるがおよそ直径が29 mm以上? 
  • 原因 特発性と二次性(先天性と後天性)に二分
  • 先天 PDA・ VSD・ASDが多く、PS合併例もあり
  • 後天 感染、血管炎、PH、慢性肺塞栓、医原性
  • 症状 無症状~臓器圧迫、血栓、血痰、破裂ほか
  • 手術 径≧5.5 cm、拡大が半年で≧0.5 cm、症状
  • 術式 肺動脈縫縮術や肺動脈瘤切除人工血管置換


- 肺動脈瘤による左主幹部の圧迫で心筋梗塞を生じた症例 -

(投稿者 川崎)

2025-08-10

脆弱ぜいじゃくX症候群 Fragile X Syndrome 

  • 概要 脆弱X随伴振戦/失調症候群を伴うトリプレットリピート病のひとつ
  • 原因 X染色体長腕末端のFMR1遺伝子の3塩基(CGG)繰り返し配列の延長
  • 機序 神経細胞の核内に凝集体が形成され機能障害に至ると推測されている
  • 症状 男性は発達障害や重度の知的障害,自閉症スペクトラム(女性は軽度)
  • 関連 脆弱X症候群関連疾患は50歳~進行性の小脳失調やパーキンソンなど
  • 身体 細長い顔,大耳介,巨大睾丸,関節過伸展,扁平足、僧帽弁逸脱など
  • 治療 根本的な治療法を開発中(現時点では個々の病態に対する対症療法)
  • 予後 発症後は進行性(本邦は100人未満? 自閉症とされている例が多い?)

参考)難病情報センター,他

脆弱X症候群の顔面特徴(細長い顔,突出する耳と額)

(投稿者 川崎)

2025-07-13

第139回日本循環器学会近畿地方会より

😃 個人的に気になった報告
 
2-12 クレアチニンキナーゼ欠損症を合併したST上昇型急性心筋梗塞の一例
  • 右冠動脈(RCA)#2 閉塞を認め,経皮的冠動脈形成術を施行した(total ischemic time 144分)。術後,高感度トロポニンI(hs-TnI)の上昇は認めたが,クレアチニンキナーゼ(CK)の上昇は認めなかった(peak CK[IU/L]/CK-MB[IU/L]/hs-TnI[pg/mL])=169/5/16863)。

2-16 自己免疫性心筋症の関与が示唆された虚血性心筋症の一例
  • 心臓MRI検査では冠血流支配領域に一致しない壁運動低下を認めた。さらに血液検査や心筋病理において,自己免疫性心筋症を疑う所見が得られ,至適薬物療法にも関わらず心機能は進行性に低下を認めた。

7-31 irAEによる洞不全症候群に対して心房リードレスペースメーカ植え込みを行った1例
  • ペースメーカ感染を認め全身麻酔下に経皮的リード抜去術を施行,全システム抜去術に成功した。元々のペースメーカ設定はAAIR⇔DDDR,60ppmであったが,累積心室ペーシング率が1%未満であったため心房リードレスペースメーカ(Abbott社製Aveir AR)の植込みを選択,右心耳基部に留置しAAI60ppmの設定とし た。

8-27 シトステロール血症の病原性変異の網羅的文献検索と早発性冠動脈硬化症
  • シトステロール血症はABCG5/G8遺伝子の病原性変異により発症する疾患で血中シトステロール高値に加えLDL-C高値,アキレス腱肥厚を伴い,家族性高コレステロール血症との鑑別を要する。


👻 当院からの発表
  • 2-10 冠動脈ステントで誘発されたコーニス症候群の1例(循環器内科 角本拓也ほか)
  • 4-16 心電図変化が気胸部位の推定に有用であった1例(循環器内科 江上 晟ほか)
  • 8-24 シンプル頚静脈©:負荷頚静脈法の学習アプリ(循環器内科 川﨑達也ほか)

江上先生は優秀賞ゲット & すべて英語論文として発表前に出版 👏

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-05-07

DORV: Double Outlet Right Ventricle(両大血管右室起始症)

  • 先日,知人から「DORVの症例で…」と相談を受けました.DORVと聞いてすぐに病態が思い浮かばなかったので調べてみました.ちなみにDOLV(両大血管左室起始症)もありますが,さらに稀なようです

両大血管右室起始症DORV
  • 定義:大動脈と肺動脈の一方が完全に右心室起始+他方が50%以上が右心室起始+後方大血管の半月弁と房室弁の間に筋性組織(心室漏斗部鄒壁)が存在
  • 分類:大血管の位置関係により正常大血管型(後方の大動脈が心室中隔に騎乗するタイプ)と大血管転位型(後方の肺動脈が心室中隔に騎乗するタイプ)
  • 細分:心室中隔欠損孔の位置で4分類(下図):大動脈弁下型心室中隔欠損,肺動脈弁下型心室中隔欠損,両大血管型心室中隔欠損, 遠隔型心室中隔欠損
  • 疫学:先天性心疾患の約1%(出生約10,000人に1人)で特定遺伝子異常との関連は報告されていないが18トリソミー症例では出現頻度が比較的頻度が高い
  • 症状:右室流出路に狭窄がない場合は高肺血流による心不全症状が主体,右室流出路~肺動脈に狭窄を伴う場合はファロー四徴症に類似し多彩なチアノーゼ
  • 治療:解剖に応じ乳児期に心内修復術(心内導管で心室内血流転換術)や新生児期~乳児期前半のBTシャント手術,1歳前後の右室流出路拡大形成術など


- DORVのVSD(下図のd)による4分類 -

👉 先天性心疾患に関するの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2025-01-12

プロテインC・S欠損症のタイプ

🐤 呟き
  • 血栓症が疑われたら血液素因の有無を判断するため,治療開始前にプロテインCやSの活性や抗原量を調べる採血を行います(結果が治療期間に影響).
  • 個人的にはその血栓症の有無のみを診断していました.しかし先日,プロテインC欠乏症例で,そのタイプ分類まで言及している発表を目にしました. 

🐣 復習
  • プロテインS (PS),プロテインC(PC),アンチトロンビン(AT)欠損症は日本人の3大先天性血栓性素因
  • いずれも常染色体優性遺伝病で日本人のヘテロ変異保有者はPS 1.8%,PC 0.16%,AT 0.18%と推定されている
  • ヘテロ変異保有者は深部静脈血栓症を,ホモおよび複合へテロ接合の重症型は新生児に電撃性紫斑病を発症
  • ただしPCは肝疾患や重症感染症,DICなどの疾患やワルファリンをはじめとした薬剤等の影響で後天的に低下
  • 先天性PC欠損症の血栓症リスクは健常人の7.3倍で約30%に妊娠・出産,経口避妊薬,外傷,手術等の誘因


- プロテインC欠損症とS欠損症の各タイプ -

(投稿者 川崎)

2024-10-16

Coronary cameral fistula

  • cameral はあまり耳にしない英単語(【形】判事や議員の私室の,国家財政の,他)
  • 単に冠動脈から心内腔への短絡のこと(冠動脈瘻 coronary artery fistula のひとつ)
  • 日本語では右冠動脈-左室瘻や左冠動脈-左房短絡などと表記(用語集への記載なし)

Coronary cameral fistula(右冠動脈-右心房瘻)の45歳男性

(投稿者 川崎)

2024-06-11

表皮水疱症 Epidermolysis bullosa

  • 概略 わずかな外力によって水疱形成を反復する一群の疾患
  • 疫学 男女ほぼ同数で5歳未満が最多(発症は約9割が<1歳)
  • 機序 基底細胞やヘミデスモゾームの脆弱化(単純型)など
  • 原因 常染色体の優性(顕性)遺伝または劣性(潜性)遺伝
  • 診断 病歴と身体所見,病理学的所見(光顕・電顕)による
  • 病型 単純,接合部,優性・劣性栄養障害,キンドラー症候群
  • 症状 四肢末梢や大関節部などに軽微な外力で水疱やびらん
  • 合併 皮膚がん,食道・幽門狭窄,関節拘縮,成長遅延など
  • 治療 根治療法はなく対症療法(それも病型により異なる)
  • 予後 生後間もなく死亡例〜普通の社会生活可能まで多様


手足の局所的な皮膚病変から粘膜・内臓の水疱形成まで多様

(投稿者 川崎)

2024-06-03

先天性小耳症 Congenital microtia

  • 1万〜1.5人に1人発生する先天性疾患(本邦では年間約100人前後出)
  • 外耳道閉鎖・狭窄を高率に合併するが片側性が90%で対側聴力は正常
  • 妊娠初期の外耳形態形成時期での多因子遺伝や環境因子が関与する?
  • 治療は形成外科が中心で73例中男児52例で平均11.8歳(10歳〜20歳)


肋骨軟骨を使用したベース フレーム製作の模式図
症例提示
合併症:鋼線突出(1.4%),皮弁静脈うっ血(2.3%),皮膚壊死・軟骨露出(1.7%)

💁 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-05-20

バーター症候群 Bartter syndrome

  • 概略 低K血症,代謝性アルカローシスなどを呈す先天性尿細管機能障害を伴う症候群
  • 名前 米国の内分泌医 Frederic Crosby Bartter らの初報(Am J Med 1962;33:811-28
  • 機序 ヘンレ上行脚のNaCl輸送に携わる遺伝子の異常など(常染色体潜性[劣性]遺伝)
  • 鑑別 ギテルマン症候群(低マグネシウム血症と低カルシウム尿症を伴う:下表参照)
  • 頻度 Bartter症候群はおよそ1/100万(一方,Gitelman症候群の有病率は1/4万人程度)
  • 発症 新生児期に発症する重症型(新生児型)と乳幼児期に発見される軽症型(古典型)
  • 症状 電解質異常(脱力感や筋症状),多飲・多尿,末期腎不全,成長障害,難聴など
  • 治療 カリウム補正が大切(K補給 80~300mEq/日やスピロノラクトン 50~500mg/日)


Bartter 症候群(BS)/ Gitelman 症候群(GS)の分類と特徴

(投稿者 川崎)

2024-05-05

冠状静脈洞口部閉鎖 CSOA

  • 冠状静脈洞口部閉鎖(coronary sinus orifice atresia: CSOA)は,冠静脈洞(coronary sinus: CS)が右房に開口しない状態である.冠静脈血流のうっ滞を回避する必要があるためCSOAが単独で存在することは稀
  • 通常はunroofed coronary sinus(URCS)や左上大静脈遺残(persistent left superior vena cava: PLSVC),心房中隔欠損症(atrial septal defect: ASD),冠動静脈瘻など代替となる静脈還流路を合併する.
  • 冠動脈の血流量は心拍出量の約5%であり,PLSVC非合併例ではCSのシャント血流は臨床的にあまり問題にならない.またPLSVC,ASD,卵円孔開存など他の合併奇形がなければシャント修復も必要ではない.


💁 冠静脈洞に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-04-13

ウォルマン病 Wolman Disease

  • 概略 常染色体潜性(劣性)遺伝ライソゾーム病
  • 病因 ライソゾーム酸性リパーゼ(LAL)の欠損
  • 別名 酸性リパーゼ欠損(Acid lipase deficiency)
  • 命名 イスラエルのWolmanらが1956年報告(
  • 症状 生後〜腹部膨満,嘔吐,発育不全,肝脾腫
  • 疫学 約50万人に1人(本邦の報告は10数人ほど)
  • 画像 単純X線や超音波検査,CT他で副腎石灰化
  • 診断 LAL 酵素活性測定および遺伝子検査など
  • 治療 酵素の補充療法(セベリパーゼ アルファ
  • 予後 治療しなければ生後半年以内に死亡する


- 日齢47のWolman病の男児 -

(投稿者 川崎)