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2026-08-07

ネフィー®(アドレナリン点鼻液)

  • 鼻噴霧してアドレナリンを投与する国内初アナフィラキシー補助治療剤
  • 2025年9月に本邦で製造販売承認を取得、2026年2月に発売(添付文章
  • 鼻粘膜には毛細血管が豊富であり、噴霧後速やかにアドレナリンが吸収
  • 血中アドレナリン濃度はエピペン®とほぼ同等(立ち上がりは少し遅い)
  • 処方する医師はオンライン登録講習を受講して、処方医師の登録が必要
  • 投与量は<30kgなら1回1mg、≧30kgなら1回2mg(10分後を目途に2回目)

- 保育士や教職員の使用 -

令和8年4月16日付の文部科学省等からの事務連絡「学校等におけるアナフィラキシーショック時のアドレナリン点鼻液(ネフィー®)投与について」で、学校等における児童等のアナフィラキシーショック発現時に、教職員等によるネフィー®投与について一定の条件を満たした場合に医師法第17条の違反とならないことが示されています。(※現時点で救急救命士への通達なし)

ネフィー®の実際
GoodRX:日本では電話は119/2回目は10分が目途)
(投稿者 川崎)

2026-08-06

今週の一枚 🎯

以前から続く起立時のふらつきで来院した高齢男性


(投稿者 川崎)

2026-08-05

LLMNSS

  • Listeria、Legionella、Mycobacterium、Nocardia、Salmonella、Staphylococcus aureusをまとめた語呂合わせ
  • 共通点は、マクロファージ内で生存・増殖できる(細胞内寄生性)、あるいはそれに準じた性質を持つこと
  • 細胞性免疫(macrophage・T細胞機能)が低下した患者で重症化しやすく、βラクタム系の効果が乏しい
  • 感染防御にはTh1細胞・IFN-γによるマクロファージ活性化を主体とする細胞性免疫が重要になってくる

細胞性免疫低下で注意すべき病原体(LLMNSS)
特徴
Listeria monocytogenes 細胞内寄生菌の代表格。ステロイド使用者、高齢者、妊婦で重症化
Legionella マクロファージ内で増殖。細胞性免疫低下患者(ステロイド、TNF-α阻害薬使用者など)でリスク上昇
Mycobacterium(結核・非結核性抗酸菌) 古典的な細胞内寄生菌。Th1/マクロファージ系の破綻で顕在化
Nocardia 弱毒だがマクロファージ内で生存可能。ステロイド長期使用、臓器移植後などで日和見感染
Salmonella(特に非チフス性) 細胞内寄生性。細胞性免疫低下(HIV、鎌状赤血球症など)で反復菌血症をきたす
Staphylococcus aureus 典型的な細胞内寄生菌ではない。好中球機能異常(CGDなど)で重症感染を起こす代表菌


(投稿者 川崎)

2026-08-04

心音クイズ:Q2

心音の無料ゲーム「心音マイスター」より


💫 解説
  • S1-S2-休み」という塊で心音を理解するように心がけていると、S1とS2をより鑑別しやすくなります。
  • 本例は健常者の心音で、音量はS2の方がS1よりも大きいことに気が付きます。よって心基部の記録です。

😎 補足
  • S1とS2は共に聴診器の膜部(大きい方)を胸壁にしっかり押し当てて聴取します。
  • 少し注意すると、S1はS2に比べて持続時間が長く、低調であることが分かります。

(投稿者 川崎)

2026-08-03

循環器フィジカル - 100本ノック -


循環器領域の身体所見を学習するために作成された無料アプリ「循環器フィジカル -100本ノック-」の動画版です.2026年4月から循環器Physical Examination講習会の公式SNSに毎週金曜日にアップしています.こちらのコンテンツにも2週分ずつまとめてアップします.

👻「フィジカルノック」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2026-08-02

高額療養費制度

  • 医療費の自己負担が過重にならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が上限額を超えた場合、その超過額を支給する制度
  • 月上限額が年齢や所得に応じて定められいる(現行では70歳未満・年収約370~約770万円なら医療費100万円の自己負担は約8.7万円)
  • 直近12か月に高額療養費に該当した月が3か月以上ある場合は、4か月目以降は自己負担限度額が更に軽減される「多数回該当」あり
  • 下図のように令和8年8月と令和9年8月から制度の見直し(持続可能性の確保の観点からと新たに年単位の上限額を設ける制度を開始)

- 患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額 -

😔 覚えきれないので…
  • 「保険診療の医療費は、1か月ごとに所得に応じた上限があります。例えば50歳で年収500万円の方なら、医療費が100万円かかっても自己負担は約9万円程度です。ただし、個室代や食事代などは別になります」...というのが現実的だそうです

(投稿者 川崎)

2026-08-01

液性免疫と細胞性免疫

  • 今一度、頭を整理するため液性免疫と細胞性免疫をAIにまとめてもらいました
  • 下の表はClaude Sonnet 5、図はChatGPT-5.5による生成(重要情報は要確認)

液性免疫
Humoral immunity
細胞性免疫
Cell-mediated immunity
主役となる細胞 ナイーブB細胞 → 形質細胞(抗体産生)、記憶B細胞 ヘルパーT細胞(CD4、主にTh1)、細胞傷害性T細胞(CD8)、マクロファージ・NK細胞との連携
抗原認識の様式 B細胞受容体(BCR)が抗原の立体構造を直接認識(抗原提示を介さなくても認識可能) T細胞受容体(TCR)がMHC(HLA)上に提示されたペプチドを認識(CD8はMHCクラスⅠ、CD4はクラスⅡを介する)
エフェクター機構 抗体による中和、オプソニン化(貪食促進)、補体古典経路の活性化 パーフォリン/グランザイムによる標的細胞のアポトーシス誘導、Fasリガンド経路、IFN-γによるマクロファージ活性化
主な標的 細胞外の病原体・毒素(莢膜を持つ細菌、一部の寄生虫など) 細胞内寄生体(結核菌、リステリアなど)、ウイルス感染細胞、腫瘍細胞
誘導に関わる主なサイトカイン Th2・Tfh由来のIL-4、IL-5、IL-21(クラススイッチ組換えを促進) Th1由来のIFN-γ、IL-2(マクロファージ・キラーT細胞の活性化を促進)
臨床的な評価法 血清抗体価測定(ワクチン後の抗体獲得評価など)、免疫グロブリン定量 ツベルクリン反応、IGRA(インターフェロンγ遊離試験)
代表的な疾患・病態 液性免疫不全(無ガンマグロブリン血症)による反復性肺炎球菌感染、破傷風毒素への抗体応答 臓器移植拒絶反応、AIDSにおけるCD4減少に伴う日和見感染(結核、ニューモシスチス肺炎など)、腫瘍免疫



(投稿者 川崎)

2026-07-31

FIXESフィクシス

  • Finger or tube in every orifice(すべての開口部への指診・チューブ挿入の確認)
  • Intravenous lines(輸液路の確保)
  • X-ray(X線検査に撮り漏れがないか)
  • ECG(心電図はとったか)
  • Splint(シーネ/副子固定は行ったか)

  • JATEC外傷初期診療ガイドライン日本版)のプライマリー・サーベイ終了時に行う最終チェックの語呂合わせ
  • プライマリー・サーベイ(ABCDE)が一通り終わった段階で、見落としがないかを最終確認するための合言葉

(投稿者 川崎)

2026-07-30

今週の一枚 🎯

嘔気でERを受診した症例
(糖尿病と緑内障あり/頭痛や下痢なし)


(投稿者 川崎)

2026-07-29

AI 聴診器の研究から

TRICORDER 試験 👀 Lancet 2026;407(10529):704-15
  • 背景: 心血管疾患の早期発見は、世界的な公衆衛生上の優先事項である。人工知能(AI)搭載聴診器は、心不全、心房細動、弁膜症(VHD)のポイントオブケア検出において、優れた性能特性を発揮する。
  • 方法:英国のプライマリケア診療所を、介入群(日常診療におけるAI聴診器の使用に関するトレーニングと導入)または対照群(日常診療)に1:1でクラスター無作為化した。心臓検査中、AI聴診器は15秒間の単誘導心電図と心音図信号を記録し、3つのAIアルゴリズムに入力して、左室駆出率低下(≤40%)、心房細動、およびVHDの有無に関する二値予測を返した。
  • 結果:205の診療所がランダムに割り当てられた (介入群に96施設 [登録患者 701,933人]、対照群に109施設 [登録患者851,242人])。介入群の診療所では、心不全の検出はグループ間で差がなかった (IRR 0.94 [95% CI 0.86-1.02])。地域ベースまたは病院ベースの診断に差はなかった (p>0.05)。 
  • 解釈: AI聴診器を日常的なプライマリケアに導入しても、導入後12か月経過しても心不全の検出率や地域ベースの診断率は有意に増加しなかった。ただしAI聴診器の使用は、心不全、心房細動、弁膜症の検出率の有意な上昇と独立して関連していた。


😑 独り言
  • 少し分かりにくい結果かな~と思います。特に「AI聴診器の使用は、心不全、心房細動、弁膜症の検出率の上昇と関連するが、心不全の検出率や地域ベースの診断率は有意に増加しなかった」という点です。抄録の解析はIntention-to-treat analysisですが、図のPer-protocol adjusted incidenceでは差がありそうです(両解析法の違い
  • これに関する筆者らのコメントAI訳 →「アルゴリズムの性能は良好であったにもかかわらず、3疾患の検出率の向上は集団規模では達成されず、使用状況に依存することが明らかになった。また、実世界での導入において克服すべき大きな課題、例えば低い利用率や関連するワークフローの不整合なども明らかになった。」…なるほど(!?)

💁 AI(人工知能)に関する過去投稿は コチラ(PC版なら右下欄から選択可能)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)