- 概要 フラビウイルス科のキャサヌル森林病ウイルスによる感染症
- 経路 主にマダニとげっ歯類で感染環が維持→刺咬によりヒト感染
- 症状 潜伏期間は3~12日で、発熱や頭痛、筋肉痛、咳嗽を生じる
- 経過 約40%に出血性肺水腫→一部は寛解後に髄膜炎や脳炎を発症
- 予後 致死率は3~5%であるが、基本的に後遺症を残すことはない
- 診断 血液や髄液のPCR、IgM抗体の検出、ペア血清による判定など
- 地域 インドの南西部が主な流行地で、年間400~500人が発症する
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治療 有効な抗ウイルス薬は未開発で対症療法(予防では刺咬回避)
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おまけ
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キャサリヌス森林という名称は、この病気が1957年3月にインドのカルナータカ州キャサヌール森林地帯にあるカッティナケレ村で初めて報告されたためだそうです。当時はサルの間で流行したため、地元ではサル病(monkey
disease)またはサル熱(monkey fever)としても知られているようです。
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サル痘(Monkeypox)は、差別的表現を避けるため最近、エムポックス(Mpox)に改称されました。地域差別や偏見を避けるため、WHOは病名への地名使用を控えるよう勧告しています。キャサヌル森林病という病名が消えるのも近いかも…ちなみに本邦では、同疾患は4類感染症に指定されています。
(投稿者 川崎)
- 体内ケトン体が増加した状態で体液が酸性に傾くためケトアシドーシスともいう
- ケトン体(アセトンやアセト酢酸,β-ヒドロキシ酪酸)は肝での脂肪分解で生成
- 誘因は感染やストレス,糖尿病,ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)
- 糖尿病でインスリン不足ならブドウ糖の代りに脂肪代謝が亢進しケトン体が増加
- 細胞が損傷を受けて,さらに脱水が加わると意識障害(ケトアシドーシス昏睡)
(投稿者 川崎)
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解説
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採血でCRP 16 mg/dL, CK 970
U/Lであった.Na値は正常範囲内であったが,温泉後の発熱などから,レジオネラ肺炎を強く疑った.しかし迅速尿中レジオネラ抗原は陰性であった.咽頭ぬぐい液のパネル検査を追加したところ,マイコプラズマPCR陽性が判明した.他のインフルエンザ・コロナ・百日咳.アデノ・RS・パラインフルエンザなどはすべて陰性.マクロライド感受性マイコプラズマであったため,アジスロマイシンの点滴で加療した.
😊 独り言
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病歴聴取(to obtain a thorough history)と身体所見(to perform a physical
examination)が臨床推論において重要であることは言うまでもありません.本例の初期対応にあたった研修医らはこの点,とてもしっかりしていました.最終診断はレジオネラ肺炎ではありませんでしたが,逆にこのような体験を共有することも重要と思われます.なおCK上昇の原因は頻回な咳嗽?
👻「今週の一枚」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 林/川崎)
- 軟性体幹装具のひとつで、主として脊椎の支持および固定に使用
- 効果機序:椎体は前方1/3に荷重が集中するため体幹前屈を制限
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ダーメンはドイツ語のDamenに由来(女性・婦人Dameの複数形)
- 元は中世に女性がウェストを細く見せるため使用したコルセット
- 現在では性別を問わず腰椎・胸椎装具の一般名として用いられる
(投稿者 川崎)
💫 S2の肺動脈成分(Ⅱp)
- Ⅱ音肺動脈成分の確認は第三肋間胸骨左縁(3L)と心尖部
- Ⅱ音肺動脈成分の亢進は3LでIIa<IIpまたは心尖部でIIp聴取
- Ⅱ音肺動脈成分評価の臨床的な意義:IIp亢進≒肺高血圧症
- Ⅱ音分裂がないと判定できない「吸気で2音を割りに行く」
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肺高血圧の重症例ではIIpを触知することもある(自験例)
💫 S4(第4音、Ⅳ音)と拡張能
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拡張障害グレードのabnormal relaxation(下図B)ではⅣ音を聴取するだけ
- それがpseudonormal~restrictive pattern(下図C)ではS4を聴取かつ触知
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耳学問に関する過去の投稿 ➜
コチラ
(投稿者 川崎)
- 大量の心膜液が貯留した時にみられることがある局所的な肺の聴打診所見
- 心膜液で左肺底部が圧迫され左肩甲骨下角下方に打診上の濁音域が生じる
- 通常は左側(稀に右側)に触覚振盪の増強と吹鳴呼吸音(blowing sound)
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英医師
William Ewart (1848-1929) の報告に由来(Br Med J 1896;1:717–21)
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別名はBamberger–Pins–Ewart徴候(循環器学用語集に収載)やPins症候群
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打診に関する過去の投稿は
コチラ
(投稿者 川崎)
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死亡診断書に老衰と記載していいか問われとっさに答えられませんでした
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もちろんOK(ただし言うまでもありませんが,安易な乱発は避けるべき)
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厚労省の死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルにも記載されています
- 全37ページの同マニュアル中に「老衰」という記載は計3ヵ所のみ(下図)
(投稿者 川崎)
- 当院の初期研修医の先生が循環器内科で経験された症例が出版されました
- 心不全で入院し,その後の精査で大動脈弁逸脱による重症の逆流症と診断
- 左主冠動脈が右冠動脈洞から起始し中隔内走行を示した先天性冠動脈奇形
- 同所見は”ハンモックサイン”として知られているようです(下図2D 矢頭)
- 意外にも予後は悪くないようなので、本例も弁置換術のみを実施しました
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論文の過去投稿は
コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 川崎)
転倒してガラスが右臀部に刺さった症例
🚑 臨床現場
- 外観は右臀部に2 cmの切創があるのみ
- レントゲンで3つの異物を確認(上図)
- 救急室では1つのガラス片のみ確認可
- 残る二つは鑷子(セッシ)にも触れず
- 追加CTでガラス片は残存(下図矢印)
- 手術室に移動し残る2つを摘出(下図)
👻「今週の一枚」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 川崎)