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2026-07-11
ソバーキュリアス Sober Curious
アルコールを飲めるが飲まないという姿勢や状況(≒ 飲まない生き方)
sober(しらふ)とcurious(好奇心旺盛な)の2語を組み合わせた造語
英ジャーナリスト Ruby Warrington が2021年に出版した本のタイトル
日本では“飲んでもいいし飲まなくてもいい”というニュアンスがある
欧米では酒に強いためアルコール依存症になりやすい社会背景を含む
引用)
経営論集 100 (2023): 177-191
ルビー・ウォリントン (著), 永井 二菜 (翻訳)
(投稿者 川崎)
2026-07-10
YUMIKO
ユミコ
-
LITA
リタ
catheter
右橈骨動脈または右上腕動脈から左内胸動脈(LITA)を選択的に造影するための専用カテーテルで、
春日部中央総合病院
の循環器内科(獨協医科大学の循環器グループ)の三宅由美子先生が開発
1999年頃には日本循環器学会で報告(安藤弘, 清水稔, 渡辺淳一郎,
三宅由美子
, 笠貫宏. YUMIKO LITA カテーテルを用いた各種動脈グラフト造影の新たなる可能性. Japanese circulation journal, 1999;63:848)
2002年に英文論文化(
Miyake Y
, Inoue T, Morooka S, Ando H, Shimizu M. A novel method for angiography of the left internal thoracic artery from a right arm approach using a YUMIKO-LITA catheter. Am J Cardiol. 2002;89:984-6
)
😐
追加コメント
冠動脈バイパス(CABG)術前に内胸動脈を造影する機会は減りましたが、今でもYUMIKO-LITA catheterを時々見かけます。先日のアンギオカンファでこのユミコ・カテが話題になったので、懐かしくなって本ブログにまとめてみました。
当院でも初期からYUMIKO-LITAカテーテルを使用し、2003年には左内胸動脈(RITA)にも応用できることを報告しています(下図)。この症例報告を三宅先生が論文で引用されていたのを見た記憶があるのですが、探しきれませんでした。
(
Int J Cardiovasc Intervent. 2003;5:98-101
)
(投稿者 川崎)
2026-07-09
今週の一枚 🎯
立ち上がり時のめまいで来院した症例
🔒 解説
右眼の睫毛徴候陽性かつ右鼻唇溝は明らかに浅い
起立は不安定で右へ容易に転倒(lateropulsion)
MRIで右延髄外側にDWI高信号 (A) +ADC低下 (B)
最終診断は右延髄外側梗塞(
ワレンベルグ症候群
)
🔓 臨床裏話
本例のめまい感は頭位変換後30秒ほど持続し、安静により軽減しました。来院時には明らかな神経学的な異常所見がなく、頭部CTやMRIにも特記すべき異常所見はありませんでした。
BPPV(良性発作性頭位めまい症)と診断して耳鼻咽喉科に入院してもらいました。しかし、その後に右側顔面の異常が顕性化し、MRI再検(上記画像)で最終診断に辿り着きました。
👻「今週の一枚」の過去の投稿は
コチラ
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(投稿者 川崎)
2026-07-08
蜂窩織炎と炎症反応
先日、炎症反応(白血球数やCRP)が正常である下腿の蜂窩織炎の症例を経験しました。発症直後ではなくて、下腿の発赤や腫脹、熱感、圧痛(
ケルススの四徴候
)はしっかりありました。
個人的には「蜂窩織炎の診断がどうなんだろ~」と思っていました。しかしその後、別の指導医の先生から、論文上は
炎症反応が目立たない蜂窩織炎は意外に少なくない
ことを教えてもらいました。
蜂窩織炎の症例で白血球増多とCRP上昇の頻度は、各々34~50%および77~97%だそうです(
Neth J Med 2017;75:366-78
、
Int J Dermatol 2010;49:1012-7
、
J Infect 2005;51:383-9
)
逆に蜂窩織炎で入院した259人中30.5%が誤診で、正しくはうっ滞性皮膚炎やうっ滞性潰瘍、痛風、心不全、非特異的浮腫、深部静脈血栓症だったようです(
JAMA Dermatol 2017;153:141-6
)
- 蜂窩織炎:白血球数(A)、赤沈(B)、C反応性蛋白(C)、プロカルシトニン(D)と体温との相関 -
(
Ann Dermatol 2016;28:704-10
)
(投稿者 川崎)
2026-07-07
ハッピーハート症候群 Happy Heart Syndrome
たこつぼ症候群(takotsubo syndrome )は先行するストレスと関連が多い
通常はネガティブな誘因でbroken heart syndrome(失恋症候群)とも呼ぶ
一方、快い感情が引き金のhappy heart syndrome(幸福感症候群)も存在
蛸壺心筋症レジストリ2,482人中910人(36.7%)で感情的なトリガーを確定
その内、ネガティブな誘因が95.9%で、喜びは4.1%(全タコツボ症例の1.5%)
ハッピーハート例は通常より男性に多く、心尖部以外のバルーニングが多い
短期と長期の転帰は、通常のたこつぼ症候群とハッピーハート症候群で類似
引用)
JACC Heart Fail 2022;10:459-466
- ハッピーハート症候群の具体的な快感誘因 -
誕生日パーティーまたは家族のお祝い(7例)
ロマンチックな瞬間またはデート(4例)
結婚式(3例)
良い知らせを受けた人(2例)
公の場での芸術的パフォーマンス(喜び)(2例)
感動的な家族の再会(2例)
リラックスできるスパ訪問中または訪問後(2例)
お気に入りのサッカーチームが試合に勝利(1例)
友人の誕生日パーティーでの感動的なスピーチ(1例)
パリでの休暇(楽しい期待)(1例)
大晦日に初めて孫の世話(喜び)(1例)
家族がリンパ腫から回復(1例)
休暇中(ボートに乗って花火を見るなど)(1例)
孫の洗礼(1例)
音楽コンサート中に心地よい感情的な記憶が呼び起こされる(1例)
大きな賞を獲得した後(1例)
息子がテレビで(パラリンピック開会式を)観戦中(1例)
クリスマスディナーの準備中(楽しい期待感)(1例)
家族問題の解決 ガーデニング中(楽しい)(1例)
孫が生まれた後(1例)
引用)
JACC Heart Fail 2022;10:459-466
🐙
おまけ
今回、我々が経験した症例は、大好きなゴルフの練習中に生じたたこつぼ心筋障害でした。特にミスショットをしてストレスがかかったわけではありません(ナイスショットで嬉しかったかどうかは不明ですが…)。おまけに同疾患で多い高齢女性ではなくて、高齢男性で、典型的な心尖部バルーニングと少し異なった左室形態もハッピーハート症候群に合致でしょうか?
(投稿者 川崎)
2026-07-06
循環器フィジカル - 100本ノック -
循環器領域の身体所見を学習するために作成された無料アプリ「
循環器フィジカル -100本ノック-
」の動画版です.2026年4月から
循環器Physical Examination講習会
の公式SNSに毎週金曜日にアップしています.こちらのコンテンツにも2週分ずつまとめてアップします.
X(旧Twitter)
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心臓Physical Examination広場
とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
2026-07-05
irAE
アイアールエーイー
:immune-related adverse events
免疫チェックポイント阻害薬
(immune checkpoint inhibitor:ICI)は,免疫チェックポイント分子またはそのリガンドに結合し,免疫抑制シグナルの伝達を阻害することで抗腫瘍効果を示す.
2014 年に抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるニボルマブが悪性黒色腫に対して承認されて以降,種々のICIが開発されたが,
免疫関連有害事象
(
irAE
)と呼ばれる副作用を生じることがある.
代表的な
irAE
は皮膚障害,腎機能障害,血液障害(血小板減少性紫斑病,溶血性貧血,赤芽球癆, 無顆粒球症),間質性肺炎,筋炎,ギランバレー症候群,脳髄膜炎,1型糖尿病,甲状腺機能障害
参考)
日本消化器内視鏡学会雑誌 2024;66:266-72.
(
令和4年2月 厚生労働省
)
(投稿者 川崎)
2026-07-04
第141回日本循環器学会近畿地方会より
😗
個人的に気になった報告
1-15
海外留学生の未修復心室中隔欠損に伴う肺動脈性肺高血圧の一例
症例はネパール出身の20歳代女性。未修復心室中隔欠損に伴う肺動脈性肺高血圧と診断した。
患者はネパールの高地出身であり,慢性的な低酸素環境が肺血流増大による左心容量負荷の進行を抑制した可能性が考えられた。
(投稿者追記:その解釈は興味深いが…)。
5-26
Arrhythmic mitral valve prolapse
が疑われた1例
症例は67歳男性。8年前の健診で心雑音を指摘され,他院で僧帽弁逸脱症(MVP),僧帽弁閉鎖不全症と診断された。6年前に心停止を起こしECPRで蘇生,ICD植え込みとなっていた。(投稿者追記:不整脈性MVPとは、他の不整脈基質がない状態で、僧帽弁輪離開の有無にかかわらずMVPと複雑な心室性不整脈が共存する病態)
6-14
Sense B noise
によるS-ICD不適切作動の1例
症例は77歳男性。6年前に冠攣縮性狭心症を背景とした心室細動の診断で,皮下植込み型除細動器(S-ICD)の植込みを行った。昼食後に仰向けになり休んでいたところ,ショック作動があったが、エピソード記録では,不規則なアーチファクト様のノイズがみられ,オーバーセンシングによって心室細動と認識しショックが送出されていた。(投稿者追記:センスBノイズは、S-ICDシステムの問題に起因する、非生理的な信号過剰感知による不適切なショックの原因)
😀
当院からの発表
2-13
高齢で診断された先天性左冠動脈閉鎖症の一例
(循環器内科 大野貴都ほか)
3-14
バレーボールの指導者に発症したPaget–Schroetter症候群の一例
(循環器内科 足立沙瑛子ほか)
4-20
通り抜け現象(ウォームアップ狭心症) を呈した冠動脈疾患の2症例
(循環器内科 林 寛人ほか)
7-1
運動誘発性のparadoxical jet flowを検出した心尖部肥大型心筋症の一例
(循環器内科 本田早潔子ほか)
7-6
低調成分を主体とする大動脈駆出音を伴った左脚ブロックの1例
(循環器内科 川﨑達也ほか)
4編は発表前に英語論文化(2編は出版済,2編は投稿中)
👏
💁
学会
に関する過去の投稿 ➜
コチラ
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(投稿者 川崎)
2026-07-03
👀これから眼にも着目
重度の三尖弁逆流(TR)による眼球の収縮期突出の報告を読みました(
Open Med (Wars) 2026 Mar 20;21(1):20261395
)。これまでの文献上の報告はわずか7例で、本稿では新たに2例を報告しています。
この所見の初報は、エモリー大学の
J. Willis Hurst
(1920 – 2011)らのようです(
Am J Cardiol 1970 Oct;26(4):351-4
)。重鎮ハースト先生は心臓病学のテキスト(通称Hurst's The Heart)などで高名
同眼球所見の機序は、頚静脈の収縮期陽性波(Lancisi徴候)と同様に、TRによるCV波と思われます。大動脈弁逆流症に伴う収縮期眼球突出(Pulsatile pseudo-proptosis)の方が少しだけ有名?
個人的にはTRに伴う”こめかみ”の拍動を経験しています(勝手に命名:
こめかみサイン
)。論文で前額静脈の拍動を見たことがあります(
過去の投稿
)。これからはTRがあれば眼にも着目しなくては…
心不全で入院した44歳男性(平均右房圧23 mmHg)
(
Open Med (Wars) 2026 Mar 20;21(1):20261395
/残念ながら動画なし)
※
心臓Physical Examination広場
とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
2026-07-02
今週の一枚 🎯
床で寝ていたアルコール性肝硬変の男性
💥
解説
意識JCS 1/GCS E4V4M6で血糖値は120 mg/dl
構音障害あるも他に明らかな神経脱落所見なし
CTで迂回槽~左側脳室、第四脳室他に高吸収
最終的にくも膜下出血を疑って他院に搬送した
💢 独り言
本例には、家族も把握できない程の頻回・多量の飲酒歴がありました。酔うといつも呂律が回らなくなり、しばしば床の上で寝ていたそうです。
今回も酔っていましたが、どうやら転んで頭を打ったようです。教訓:酔っ払いという
アンカリングバイアス
に惑わされないこと(
失敗例
)。
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(投稿者 川崎)
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