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2026-04-06

フィジカルクイズ(No. 47 & 48)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金に循環器に関するフィジカルクイズをX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらのページには2週分ずつまとめてアップします.



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(投稿者 川崎)

2026-04-05

PACSセミナー

  • PACS(パックス)は日常臨床で耳にする用語で、Picture Archiving and Communication Systemの略
  • レントゲンやCT、MRI、RIなどの各種医療画像を、デジタルで保存・管理・閲覧するための管理システムのこと
  • しかし近年、循環器あるいは救急の領域でPACSという言葉を眼にする機会が増えました(PACSセミナーなど)

💢もう一つの「PACS」
  • PACSはpost cardiac arrest syndromeの略で、邦名は心停止後症候群など
  • 自己心拍再開(ROSC)後の全身の虚血再灌流障害に起因する複雑な病態
  • 4つの問題:脳障害、心筋機能不全、全身虚血再灌流反応、心停止の原因
  • (ただし救急医療後症候群 PACS(Post-Acute Care Syndrome)もあり)
  • (さらにPost acute Covid-19 syndromeやpost-ACS [急性冠症候群] など)

- PACSテキスト -


(投稿者 川崎)

2026-04-04

HAD(入院関連機能障害)

  • HADはhospitalization-associated disabilityの略で、入院に関連して生じる機能障害のこと
  • 入院中の安静臥床を原因とする廃用症候群で、老年症候群(geriatric syndrome)のひとつ
  • 例1:心不全や癌で入院中の安静や不動で、ADL障害や身体機能低下/認知・精神機能低下
  • 例2:高齢者が肺炎で入院し抗菌薬の点滴で治癒したが、歩行に介助を要するようになった


- HAD を呈した患者と非 HAD の特徴 -
(HADリスク=痩せた高齢者で認知機能や立位バランスが悪い)

(投稿者 川崎)

2026-04-03

Mature BNP 成熟BNP

  • BNPファミリーは、成熟BNP(mature BNP)、BNP前駆体(proBNP)、proBNPのN末端断片(NT-proBNP)から構成(下図)
  • Mature BNP(成熟BNP)は完全な生物活性を有するが、proBNPの生物活性はおよそ15%で、NT-proBNPは生物活性を持っていない
  • 臨床で活用されているBNP検査では、mature BNP(成熟BNP)とproBNPの合計(総BNPあるいはtotal BNP)が測定されている
  • Mature BNP(成熟BNP)はtotal BNP(総BNP)のわずか35~40%を占めるにすぎず、BNP検査の測定値よりもはるかに低い
  • 4つのBNPファミリー形態およびcGMPやcGMPと各BNP形態の比率の詳細な測定が、各種心疾患の有用である可能性がある

参考)J Cardiol 2022;79:727-33、他

- 総BNPおよびプロBNP測定の模式図 -
総BNP測定では成熟BNP(mature BNP)とプロBNPの両方を検出するが、プロBNP測定ではプロBNPのみを検出する。よって、成熟BNP(mature BNP)は総BNP - プロBNPで推定可能。


(投稿者 川崎)

2026-04-02

今週の一枚(音) 📢

  • 他のコンテンツで心音クイズを作成しました.本ページにもアップしておきます(内容は少し変更しています)


心電図異常を指摘され来院.正しい過剰音はどれか.







判定


😐 正解 B
  • Ⅳ音(S4)はⅠ音(S1)直前の過剰音で,ベルを心尖部に軽く当てたときにのみ認める(=低調音).本例は後に肥大型心筋症と診断された.

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(投稿者 川崎)

2026-04-01

AX(エーエックス)

  • DX(ディーエックス)はもはやビジネス専門用語ではありません.医療現場でも当たり前のように使われています.DXはDigital Transformationの略で,デジタル化による生活全般の変革(デジタルトランスフォーメーション)です.
  • 一方,最近ではAXという言葉を耳にする機会が増加しています.これはデジタル技術の中でもAI(artificial intelligence,人工知能)技術に焦点をあてたDXで,AI Transformation(エーアイ・トランスフォーメーション)の略です.


(投稿者 川崎)

2026-03-31

可塑かそ性 Plasticity

可塑性は医学でもしばしば遭遇する用語です。以下に論文タイトルの例を挙げます。
  • 大林茂. 脳科学とリハビリテーション医学をつなぐ 「脳可塑性」 の探究. The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2025;62:589-95.
  • 林卓杜, 工藤崇, 高橋智. 宇宙環境がもたらす骨格筋可塑性への影響. Journal of Japanese Biochemical Society 2022;94:910-5.
  • 南敏明, 伊藤誠二. 痛みの可塑性. 生物物理 2001;41:15-9.
でも可塑性の意味を問われるとうまく説明できない気がしたので調べてみました。

  • 可塑性とは物体に強い外力を加えた際、元に戻らずに変形を維持する性質のこと(対義語は弾性、elasticity)
  • 医学では脳や神経の可塑性(損傷後に起こるネットワークの構造的,機能的な変化)で用いられることが多い
  • 神経学的な代償とは,脳の可塑的性質を利用して,発症以前とは異なる状態で機能を改善することを意味(下図)

(投稿者 川崎)

2026-03-30

座 vs 坐

  • 先日執筆した頚静脈のレビュー論文(日本語)で,出版社から「位」を「位」に統一していいかと連絡がありました.
  • 個人的に頚静脈「位」定性法の推奨者なので,頻回に使用してきた用語でしたが,意識したことはありませんでした.
  • 今回の自分の総説を見直してみると,一ヵ所だけ「位」になっていました(他の20ヵ所余りはすべて「位」でした)

  • Google Scholar 位=約22,400件,位=約14,600件
  • 循環器学用語集(第4版) 位=5件,位=ゼロ

  • Google Scholar 起呼吸=約1,220件,起呼吸=約1,510件
  • 循環器学用語集(第4版) 起呼吸=収載(orthopnea),起呼吸=未収載

📟 AIの解答:「座」と「坐」の違い(ChatGPT:装飾は投稿者が追加)
  • 「座」と「坐」はどちらも「すわる」という意味を持つ漢字ですが、現代日本語では使い分けがあります。「座」は現在の標準的な表記で、日常生活から公用文、学術文章まで広く用いられます。正座、座席、講座、星座など、多くの一般語や医学・教育分野の用語でも基本的に「座」が使われます。そのため、通常の文章を書く場合は「座」を選べば問題ありません。
  • 一方、「坐」は古い字体(異体字)で、漢文調や仏教用語などに限定的に残っている表記です。例えば「坐禅」や「結跏趺坐」のように、歴史的・宗教的背景を持つ言葉では慣用的に用いられますが、現代の一般的な日本語では使用頻度は高くありません。したがって、特別な理由がない限り、現代文では「座」を使うのが自然です。

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(投稿者 川崎)

2026-03-29

Iアイターン

  • 先日の医療関係の講演でI ターンという用語を耳にしました.調べてみるとJ ターンという言葉もあるようです.
  • AIに頼んでまとめてもらいました.HTML形式(WEB用言語)の表に要した時間は数秒.自力なら1時間ほど?😊

項目 U ターン I ターン J ターン
移住先 地元(出身地) ゆかりのない地方(地方移住) 地元近くの中核都市(出身地ではない)
人間関係 知人・親族がいて再スタートが容易 新規開拓が必要、地域に溶け込む努力が必要 地元とのつながりを保ちつつ新しい人間関係を構築
目的 家族、安定、生活環境改善 新しい生活、自然、仕事 利便性と地元へのアクセスのバランス


(投稿者 川崎)

2026-03-28

チャールソン併存疾患指数 Charlson Comorbidity Index

  • さまざまな併存疾患を持つ患者の死亡率(10年生存率)を予測するモデル
  • 米国の疫学などを研究する医師 Mary E. Charlson らが1987年に開発(
  • オリジナルは計19のカテゴリーを考慮(追試結果に基づいて何度か修正)
  • スコアがゼロの場合は併存疾患なく,スコアが高いほど予測死亡率が高い
  • 判断基準の一例:0=低い、1~2=中等度、3~4=高い、≧5=とても高い  
  • 医師にとっては原疾患をどの程度積極的に治療するか決定するのに役立つ

🍃 チャールソン併存疾患指数(の一例)
  • 1点 ➜ 心筋梗塞、うっ血性心不全、末梢血管疾患、脳血管疾患、認知症、慢性肺疾患、リウマチ性疾患、消化性潰瘍、肝疾患(軽症の場合)、糖尿病(コントロールされている場合) 
  • 2点 ➜ 片麻痺または対麻痺、腎疾患、悪性腫瘍(局所性の場合)、糖尿病(コントロールされていない場合)、白血病、リンパ腫
  • 3点 ➜ 肝疾患(中等症/重症の場合)
  • 6個 ➜ エイズ、悪性腫瘍(転移性腫瘍の場合)
  • 追加ポイント ➜ 50~59歳 +1ポイント、60~69歳 +2ポイント、70~79歳 +3ポイント、80歳以上 +4ポイント


(投稿者 川崎)