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2026-08-08

浮腫の部位


 寝たきりの高齢者で浮腫の判断に適した部位はどこか. 2つ選べ







判定


😐 解説
  • 水分は重力によって低い位置に集まるため、常に仰臥位なら背部や仙骨部に浮腫が生じやすい。

(投稿者 川崎)

2025-11-06

今週の一枚 🎯

心雑音を指摘された症例(座位)

😎 解説
  • 頚部の中央右側に周期的な拍動あり
  • 隆起なので動脈性か静脈性の鑑別要
  • 用手的な圧迫で消失せず動脈と判断
  • 最終診断は中等度大動脈狭窄逆流
😑 つぶやき
  • 大動脈弁狭窄の頚動脈拍動は特徴的な変化を示すことが知られています。例えば遅脈(遅い立ち上がり+小さい振幅+長く持続)や、shudder(微細な振動)などです。しかし実臨床でこのような典型例を示す例はむしろ稀です。
  • 本例のように大動脈弁逆流を伴ったり、加齢に伴う動脈の蛇行が加わるので、頚動脈の視診・触診のみで診断することはお薦めしません。頚動脈所見の基本を押さえた上で(下表)、聴診などを加味した総合的な判断が望まれます。

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-10-28

飛蚊症ひぶんしょう  Floaters or Flying dots

  • 概略 硝子体の混濁で視界に虫などが飛んでいるように見える病態
  • 症状 水玉やハエ、黒いスス、糸くず、輪などが眼球と一緒に動く
  • 原因 先天的あるいは生理的(加齢による離水や後部硝子体剥離)
  • 病的 硝子体出血、ぶとう膜炎、網膜硝子体ジストロフィ、その他
  • 治療 生理的飛蚊症(高齢者や強い近視症例に多い)では治療不要
  • 検査 散瞳が必要(30分程の検査であるが瞳孔が戻るのに数時間)
  • 正式 医学用語としては硝子体混濁(muscae volitantes)を使用


- 飛蚊症のイメージ画像 -

👀 独り言
  • 飛蚊症は「ひふんしょう」と長年思っていました.「しょう」だったとは 😅
  • 気にしだすと常に見えるが、そのうちに忘れる(水晶体の濁りは変わらないのに)

(投稿者 川崎)

2025-03-16

座位行動 Sedentary behavior

  • 座位行動とは「座位,半臥位または臥位の状態で行われるエネルギー消費量が1.5メッツ以下のすべての覚醒行動」
  • 身体活動量をある程度充足しても,長時間にわたる座位行動(いわゆる座りすぎ)は種々の健康問題を引き起こす
  • 成人の系統的レビューでは座りすぎは総死亡や心血管疾患死亡・罹患,がん死亡・罹患,2型糖尿病罹患などと関連
  • 子ども・青少年の場合でも,座りすぎが体力および心血管代謝の健康,肥満症,社会性行動,睡眠時間等と関連する


- 日本人の座位時間は1日約7時間ととても長い -

💫 独り言
  • 座りっぱなしの行動(座位行動)が運動不足とは異なる概念であることに少し驚きました(今までは運動さえしていればいいと思っていたので…)
  • 機序は十分に解明されていませんが,長時間の座位で骨格筋活動による心血管への利点は打ち消されるようです(Nat Rev Cardiol 2021;18:637-48
  • これからは「座る時間を減らして体を動かす」です.これは当り前のことですが,座位行動という観念を知る前とは少し違う響きを感じます.

(投稿者 川崎)

2024-10-18

嗜銀しぎん顆粒性認知症 Argyrophilic Grain Disease

  • 概略 嗜銀顆粒を特徴とする病理学的に定義された脳疾患
  • 初報 独のH BraakとE Braak(Neurosci Lett 1987;76:124-7
  • 疫学 高齢者に多くて65歳で9.3%,100歳以上で31.3%と報告
  • 症状 緩徐進行の健忘性軽度認知障害(ドネペジルには不応)
  • 合併 高頻度に神経精神症状(易怒性,頑固,自発低下など)
  • 画像 左右差のある側頭葉内側前方の萎縮,機能・血流低下
  • 所見 髄液バイオマーカーやアミロイドPETは原則として正常
  • 診断 確定には病理学的評価が必要(通常は死後にのみ可能)


好銀性粒子病の神経病理学的特徴

(投稿者 川崎)

2024-05-25

ホーン・ヤールのスケール Hoehn and Yahr scale

  • パーキンソン病の進行度を評価するスケール(基本的に徐々に進行する疾患)
  • 米国の脳神経内科医 Hoehn MMとYahr MDが作成(Neurology 1967;17:427-42
  • 手 ➜ 同側の足 ➜ 対側の手 ➜ 対側の足というN字型進行が多い(足発症あり)
  • 0~5度の6段階で評価(下表)し3度以上が難病医療費助成制度の対象になる


ホーン・ヤールの重症度分類 
0度 パーキンソニズムなし
1度 一側性パーキンソニズム
2度 両側性パーキンソニズム
3度 軽~中等度パーキンソニズム。姿勢反射障害(姿勢保持障害)あり。日常生活に介助不要
4度 高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
5度 介助なしにはベッド又は車椅子生活


💁 パーキンソンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-09-18

ビンビン来ます

心電図異常(ST-T変化)で受診した高齢者

👻 解説
  • 胸骨頸切痕の上部に規則的に隆起する明瞭な拍動あり
  • 手指で圧迫できず(指先まで拍動がビンビン伝わる)
  • 呼吸負荷を追加しても拍動上縁の変動は観察できない
  • 本例には心電図変化を説明する明らかな心疾患はなし
  • 拍動は加齢に伴う動脈蛇行と判断(=偽コリガン脈

💚 追加コメント
  • 頸静脈の評価は左側の鎖骨上〜頸部で行いますが,前頸静脈(Anterior jugular vein)が目立つ症例もあるので注意が必要です
  • 頸動脈の拍動が明瞭ならコリガン脈ですが通常は頸部側面に認めます.前頸部のみなら動脈蛇行による偽コリガン脈かも(自験例

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2022-07-05

星状硝子体症 🌟 Asteroid hyalosis

  • 硝子体に黄白色の反射粒子が出現する病態で,ヒト以外にも犬や猫などにも生じる
  • 頻度は0.8〜2.0%で加齢に伴い増加/原因不明で糖尿病や高血圧,脂質異常と関連
  • 主な成分はカルシウムとリン酸塩あるいはリン脂質からなるヒドロキシアパタイト
  • 通常,無症候性で視力に深刻な影響を与えることが少ないため積極的な加療は不要
  • 初報はBensonで"asteroid hyalitis"と表現(Trans Ophthalmol Soc UK 1894;14:101–4



💁 眼科に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2021-10-30

🌇 夕暮れ症候群 Sundown syndrome(or Sundowning)

  • 認知症の症例で夕方から夜間にかけて焦燥,攻撃性,妄想的言動,徘徊などが増悪する現象
  • 認知症に伴う精神症状や行動症状(周辺症状=BPSD)のひとつで,たそがれ症候群とも称す
  • 古くから知られていた現象で1970年代に観念が確立(New York: John Wiley and Sons; 1978)
  • 原因は夕方に家に帰りたいという気持ちが強くなり心理的に落ち着きがなくなるためと推測
  • 鑑別診断はせん妄:せん妄は急性発症で比較的短期間持続/夕暮れ症候群は中長期的に続く
  • 対処法は否定せずに「夕食を食べていってはどうですか?」や「もう一晩泊まってください」


💁 認知症に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-09-25

ロートン(とブロディ)の尺度 Lawton IADL Scale

  • 基本的ADLより複雑な手段的ADL(Instrumental activities of daily living: IADL)を評価する尺度.買い物や食事の準備,交通機関での外出,金銭管理などが含まれる.
  • アメリカの心理学者であるLawtonらが開発(Gerontologist Autumn 1969;9:179-86).下記項目の合計点で判定 ➜ 男性0~5・女性0~8点(高いほど独立を意味)
  • 基本的ADL(日常生活活動度/Activities of daily living)である移動や食事,入浴,食事,着衣,排泄などの行動はバーセル指数(Barthel Index)を用いて評価する.

Gerontologist Autumn 1969;9:179-86の改変/引用はココ

(投稿者 川崎)

2020-12-20

🏡 ケアハウス(軽費老人ホーム)

  • 社会福祉法人や地方自治体などが運営する高齢者対象の福祉施設のこと
  • 自治体や国から助成金を受けているため低料金で利用することができる
  • (有料老人ホームの運営事業者は民間企業であるため利用料が高い傾向)
  • 軽費老人ホームは「A型」「B型」「ケアハウス(C型)」に分類できる
  • A型は食事の提供や日常生活上必要な便宜を供与し,B型は自炊が原則
  • 軽費老人ホームA型とB型には所得制限あり(例:月額34~35万円まで)
  • ケアハウス(C型)のなかにも自立型と介護型という2タイプが存在する
  • 自立型ケアハウスの初期費用は0~30万円,月額利用料は6~17万円位

もっと知りたい方のおすすめページ ➜ コチラ

🉐 関連投稿(介護サービス編)

(投稿者 川崎)

2020-11-17

デイサービスとデイケア

☆ デイサービス通所介護
  • 利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう,自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持,家族の介護の負担軽減などを目的として実施される.
  • 利用者が施設に通い,食事や入浴などの日常生活上の支援や,生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受ける.
  • 生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり,施設は利用者の自宅から施設までの送迎も行う.デイサービスは要支援1・2の人は利用できない.

★ デイケア通所リハビリテーション
  • 利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう,リハビリテーション施設(老人保健施設・病院・診療所など)に通い,食事や入浴などの日常生活上の支援や,生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供する.

参考)公表されている介護サービス(厚生労働省)

👻 つまり…
  • 上記の説明ではピンとこないかもしれませんが,デイサービスは日帰りの介護で,デイケアは日帰りのリハビリテーション
  • 利用者負担は1割(一定以上の所得者は2割または3割)で,居住地域区分(1級地~7級地、その他)によって異なるようです.

(投稿者 川崎)

2020-11-08

NHCAP エヌエイチキャップ

👀 サマリー
  • Nursing and HealthCare Associated Pneumoniaの略(=医療・介護関連肺炎)
  • NHCAPの特徴は薬剤耐性菌が多く,予後が不良で救急外来からの入院が多い
  • 2005年に米国学会が共同提案(Am J Respir Crit Care Med 2005;171:388-416

 定義  以下のいずれかに該当する場合(日本呼吸器学会ガイドライン
  1. 長期療養型病床群もしくは介護施設に入所している(精神病床を含)
  2. 90日以内に病院を退院した
  3. 介護(PS 3以上)を必要とする高齢者、身障者
  4. 通院にて継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬等による治療)を受けている

日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2014;24:33-6
CAP: community-acquired pneumonia(市中肺炎)
HAP: hospital acquired pneumonia(院内肺炎)

👽 NHCAPの発症機序
  1. 誤嚥性肺炎
  2. インフルエンザ後の二次性細菌性肺炎
  3. 透析などの血管内治療による耐性菌性肺炎(MRSA肺炎など)
  4. 免疫抑制薬や抗癌剤による治療中に発症した日和見感染症としての肺炎


(投稿者 川崎)

2020-11-06

小規模多機能型居宅介護

🐸 外来での一コマ
  • 患者さん「最近はデイサービスによくいっています」
  • 担当医師「それはいいですね」
  • 患者さん「時々,そこに泊まっているんですよ」
  • 担当医師「泊まる? デイサービスで?」

🏠 小規模多機能型居宅介護
  • デイサービスやデイケアの”デイ”は”通所”を意味するから宿泊は出来ない(
  • 2006年には介護保険の制度改革に伴い小規模多機能型居宅介護事業が創設された
  • 特徴は家庭的環境で「通い、泊り、訪問」のサービスを一体的かつ継続的に提供
  • 対象は概ね徒歩30分圏内(小・中学校区)で全国で5000ヵ所以上に事業所がある
  • 高齢単身や夫婦のみ世帯の利用が多く要介護度は低い(近隣利用は少なく約4割)

(投稿者 川崎)

2020-05-31

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準

(1) ランクJ 生活自立 ➜ 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
  1. 交通機関等を利用して外出する
  2. 隣近所へなら外出する

(2) ランクA 準寝たきり ➜ 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
  1. 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
  2. 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている

(3) ランクB 寝たきり ➜ 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ
  1. 車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う
  2. 介助により車いすに移乗する

(4) ランクC 寝たきり ➜ 1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
  1. 自力で寝返りをうつ
  2. 自力で寝返りもうてない


🉐 関連投稿(自立度編)

(投稿者 川崎)

2020-05-29

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準

🐌 包括医療費支払い制度(DPC)でも本分類の記入が必要
  1.  ランク I  何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している
  2.  ランク II  日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる
  3.  ランク III  日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする
  4.  ランク IV  日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする
  5.  ランク M  著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする

🔍 細分化(コチラはDPCには不要)
  •  ランク II  ➜ 家庭外ならIIa,家庭内でもあるならIIb
  •  ランク III  ➜ 日中中心ならIIIa,夜間ならIIIb

🉐 関連投稿(認知症編)

(投稿者 川崎)

2019-11-19

EAT-10 イートテン

  • 10項目の質問で構成される嚥下スクリーニング法(EAT-10=10-item Eating Assessment Tool )
  • 米国の耳鼻咽喉科医であるBelafskyらが開発(Ann Otol Rhinol Laryngol 2008;117:919-24
  • 40点満点で合計得点が3点以上であった場合には,嚥下の効率や安全性に問題があると判定する

引用元

😎 Web版は コチラ からどうぞ

関連投稿 🉐

(投稿者 川崎)

2019-09-06

声帯溝症(せいたいこうしょう) Sulcus vocalis

  • 病態 声帯の溝による声門の閉鎖不全を生じた病態で別名は声帯萎縮症
  • 症状 発声時間の短縮(一息で数秒),嗄声,嚥下障害,運動能力低下など
  • 疫学 高齢者(特に70歳以上の男性)に多い(30歳未満は本邦では500人位)
  • 診断 発声時の声帯間隙+声帯溝(喉頭鏡やビデオストロボスコピーなどで)
  • 原因 不明/加齢・声の濫用・先天性(のう胞の破裂など)・炎症などの推測
  • 治療 音声訓練,声帯内注入(ステロイドや自家脂肪など),喉頭形成術など



👂 関連投稿

(投稿者 川崎)

2019-08-07

Dynapenia ≠ Sarcopenia


ただし欧州ワーキンググループ(EWGSOP)やアジアワーキンググループ(AWGS)は,加齢に伴う筋量(四肢筋量)の減少,筋力(握力)ならびに身体機能(歩行能力)の低下を用いて複合的にsarcopeniaを定義することを提案している(体力科学 2016;65:491-501).

おまけ 💨
  • サルコペニアと肥満を合併したサルコペニア肥満(Sarcopenic obesity/低筋肉型肥満)は,要介護状態・歩行障害・転倒・骨密度低下・低栄養・インスリン抵抗性・拡張期高血などのリスクが単なる肥満やサルコペニアよりも高いことが知られている(日老医誌 2012;49:210―3).

🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)