心疾患を患う症例が最近,爪を切っても先がすぐ黒くなると訴えた
👉 爪下線状出血(Subungual splinter hemorrhage)
- 爪床に線状の色素沈着を認める.疼痛はなく,圧迫しても消失しなかったため出血と考えられた.爪下の真皮浅層の毛細血管は長軸方向に走行するため,出血時には本例の様に線状になる.
- 同所見は感染性心内膜炎に関連した微小塞栓が有名である(自験例).しかし感染性心内膜炎の15%ほどの症例にしか爪下線上出血は出現せず,また本例とは異なり爪先端より爪床中部に多い.
- 感染性心内膜炎以外にも外傷(最多)や乾癬,腎疾患,肺疾患でも出現する.本例はワルファリンと抗血小板薬の併用による易出血状態に関連した薬剤性爪下線状出血と考えられた.
- 薬剤性では原因薬の必要性を見直す必要がある.抗凝固薬や抗血小板薬などが必須かつ爪色が気になる場合は,マニュキュア塗装や手袋使用(爪へのストレスも減らすことができる)を指導
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(投稿者 川崎)
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