全身浮腫で入院した症例
🌝 頬部皮疹(蝶形紅斑)
- 左頬部に紅斑あり(この皮疹は左右で消退を繰り返していた様子)
- 鼻唇溝(ほうれい線)より下に及ばず鼻根部を含まない点に注目
- 抗SM抗体陽性などもあり最終的に全身性エリトマトーデスと診断
- 頬部皮疹はSLE症例の46–65%に一過性に出現する(数日~数週間)
- 同皮疹はSLEに対して特異度は高い(96%)が,感度は中庸(57%)
- 鑑別診断は皮膚筋炎,感染症,ビタミン欠乏(ペラグラ他)など
🌞 おまけ
- 蝶形紅斑は,突然顔面に出現するわけではありません.初期には米粒大~小豆大の紅斑が散在するのみでその後,紅斑が増えて融合し,蝶形を呈するようです(下図).
- 頬部皮疹で鼻根部(鼻の付け根)を含めば蝶形紅斑とする定義もあるようです.英名はmalar rash(malarはラテン語のあごや頬骨を意味)またはbutterfly rashです.
- SLEの蝶形紅斑は鼻唇溝を超えず病勢と平行して消長するようです.一方,円板状エリテマトーデスのディスコイド疹では,軽快後に萎縮性瘢痕や色素異常が残るそうです.
参考および図)日内会誌 2009;98:2432-9
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(投稿者 川崎)
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