💧 市中感染性下痢症
💦 旅行者下痢症
- 細菌 ➜ カンピロバクター属,ウェルシュ菌,サルモネラ属,腸炎ビブリオ,下痢原性大腸菌など(夏季に多い)
- ウイルス ➜ ノロウイルスとロタウイルスなど(冬季に多い)
💦 旅行者下痢症
- 細菌性(約8割)➜ 下痢原性大腸菌,カンピロバクター属が多い.他にジアルジア,赤痢菌,コレラ菌,チフス菌,パラチフスA菌など
- 寄生虫性(約1割)
- ウイルス性(約1割)
👾 コレラ(Cholera)
- 原因 汽水域に棲息している細菌 Vibrio cholerae によるコレラ毒素
- 特徴 急性炎症反応を生じることなく上皮細胞の吸収分泌機構を破綻
- 経路 水や食物を介した糞口感染から成立(宿主となるのはヒトのみ)
- 潜伏 数時間から5日間(通常は1~3日位)で突然の大量下痢で発症
- 疫学 本邦で年10例程(多くはフィリピン,インド,タイの海外渡航)
- 症状 1日10㍑~の下痢(腹痛や悪心,嘔吐は比較的軽度で発熱は稀)
- 便性 “米のとぎ汁様”の白色〜灰白色の水様便で,甘くて生臭いにおい
- 治療 大量補液+ニューキノロン系抗菌薬(耐性ならアジスロマイシン)
😐 独り言
- コレラは有名な病気だけど意外に診断方法は知られていないと思います.グラム染色ではコンマ状の湾曲したグラム陰性桿菌で,流れ星様の運動を認めると報告されていますが,検鏡による診断は困難なようです.通常は下記の様な特殊培地で培養して診断します(概ね24時間で推定可能).当院の細菌検査室では10年以上,コレラ菌は検出されていないようです.
(投稿者 川崎)
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