1m程の高さから体の左側を下に転落した症例
🦴 解説
- 恥骨結合にズレは目立たないが,大腿骨頭の高さに左右差がある
- よく見ると左腸骨,臼蓋部(骨頭の受け皿),座骨,恥骨の骨折
- CTで骨盤骨折+周囲の血腫を確認(実は先行FASTで陰性と判断)
- 特に腸骨の骨折部から活動性出血が疑われるため高次施設へ搬送
👺 恐怖の骨盤骨折
- 本例のバイタルサインは安定していましたが,骨盤骨折は大量出血に繋がるため迅速な診断と的確な対応が必須です.診断後は速やかにシーツラッピングを行い(下の動画),創外固定や骨盤パッキング(ガーゼを詰め込み圧迫止血),動脈塞栓術などを行います.外傷症例では骨盤動揺の有無の確認が大切ですが,状況によっては同手技が状態を悪化させる可能性があるため要注意です.
骨盤骨折の際のシーツラッピング(YouTube)
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(投稿者 川崎)
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除本例を実際に対応された救急診療科の先生からコメントを頂きました(いつもありがとうございます)
返信削除・骨盤骨折はlateral compression型,open book型,vertical shear型に分かれる
・シーツラッピングが有効なのはopen book型とvertical shear型である
・本例はlateral compression型であり,バイタルサインも安定していたため,シーツラッピングは施行せず