🏆 論文:HCMのフィジカル意義
- 肥大型心筋症は多くのユニークな身体所見が知られています
- 本研究では HCM 症例で身体所見の臨床的意義を検討しました
- 診断能は臥位の頸静脈a波+Ⅳ音聴診で特異度94%、感度57%
- Ⅳ音の消失が死亡または入院の増加に繋がることも示しました
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独自路線
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肥大型心筋症は心室の肥大が特徴的ですが,フィジカルでは心房が主役です.これは硬い心室に血液を無理やり押し込んでいる心房の頑張り(心房の辛抱)です.この頑張りが続かなくなったとき(例:Ⅳ音の消失)が運動耐容能の低下や心血管事故の増加(本論文)に関係することは理にかなっています.
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身体所見から肥大型心筋症を疑い,その後に画像検査で確認する臨床スタイルは,充分に可能で楽しいと思います.「忙しい新患外来でそんなめんどくさいことできないよ~」という意見にも大いに同意しますが...😅 いずれにしても遅ればせながらライフワークの1つが形になって本当に良かったです.
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心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)
フィジカルとHCMを研究領域とする川﨑先生の数多くの論文の中でも、最も魂のこもった
返信削除素晴らしい一編です。
各種検査法の発達により診断がなされるこの時代に、フィジカルのみでHCMの診断/予後推定が
可能とする内容にはきわめて価値があります。
”心房”の”辛抱”が破綻したHCMは悪い病態であることを、フィジカルで把握できる医者には
”信望”が得られます。
元 上司