このブログを検索

2023-09-03

日本内科学会 第241回近畿地方会より

😐 個人的に気になった報告

演題7 落下胃石腸閉塞で発症し残存胃石に対してコーラ溶解療法が奏効した1例
  • 胃石腸閉塞では従来は早期の開腹手術による胃石の回収が治療の第1選択とされていたが、Ladasらの報告以降、コーラによる溶解療法の有用性が多数報告されている。

演題30 心房細動に対するカテーテルアブレーション後の肺静脈狭窄に対し経皮的ステント留置術を行った1例
  • カテーテルアブレーション後の肺静脈狭窄による肺うっ血が原因となり,血痰を認めたと考えられたため、左下肺静脈に対し経皮的肺静脈ステント留置術を実施した.高周波カテーテルアブレーション後の肺静脈狭窄の頻度は1%程度とされ,3~5ヵ月程度経過した後に徐々に発症することが多い.

演題43 Dual Energy CTを用いて電撃型脂肪塞栓症を疑い、V-A ECMOによる早期の集学的治療で良好な転帰を辿った超高齢者の1例
  • 左大腿骨転子部骨折に伴う電撃型脂肪塞栓症を強く疑いV-A ECMOを導入した。造影CTで肺動脈に造影欠損を認めなかったが,脂肪塞栓症の肺病変で胸部造影CTに異常を認めることは非常に稀である。本例ではDual Energy CTで浸潤影に一致して血流低下を認めた。

演題81 術後にHungry bone syndromeとともに腎機能悪化を認めた原発性副甲状腺機能亢進症の一例
  • 原発性副甲状腺機能亢進症と診断し副甲状腺摘出術を施行したが、術後より血清Ca低下に対した。活性型ビタミンD3製剤やカルシウム製剤の投与を行うとともに、十分な補液を継続したところ血圧と腎機能は徐々に改善。副甲状腺摘除術後はHungry bone syndromeとともに、血中PTH濃度の変化に伴う腎機能の変化にも注意する必要がある。

演題125 肝機能障害を伴わない門脈体循環短絡症の1例
  • 門脈体循環短絡症は門脈血流が体循環系に流れ込み、肝代謝が行われず高アンモニア血症となり多彩な神経症状を呈する疾患であり、猪瀬型肝性脳症ともよばれる。肝機能障害を背景とせずに発症する場合もあり、意識障害の鑑別の際には念頭に置く必要がある。

演題164 セフトリアキソンナトリウムによる薬剤性腎障害が疑われた症例
  • CTRX 2g/日の投与を開始したが腎機能低下が急速に進行した。尿細管マーカーの上昇および尿中好酸球を検出したため、CTRXによる薬剤性腎障害を疑った。同剤は中止し、メチルプレドニゾロン250mg/日×3日間、および後療法としてプレドニゾロン30mg/日の内服治療を行った。腎機能は著明に改善した。CTRXによるリンパ球刺激試験(DLST)を行ったが陽性所見は認めなかった。


👻 当院からの発表
  • 演題42 たこつぼ心筋症が急性冠症候群によって誘発されたと考えられる1例(循環器内科 西川 晶生先生)

😇 循環器内科の張本先生が座長でした

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

0 件のコメント:

コメントを投稿