このブログを検索

2023-10-17

シャーガス病 Chagas' disease

  • 概要:トリパノソーマ・クルージ(T. cruzi )によって引き起こされる熱帯寄生虫病
  • 媒介:主にサシガメとよばれる昆虫の咬傷や感染した糞便から感染(人獣共通感染症
  • 由来:ブラジル人医師の Carlos Chagas が初報(Arch Schiff Tropenhyg 1909;13:120–2)
  • 地域:ラテンアメリカ大陸(カリブ海の島国を除)に蔓延(特に田舎)(本邦では輸血)
  • 疫学:主にメキシコ,中米,南米では約650万人が罹患して,年間に約9,490人が死亡
  • 症状:無症状〜軽度の発熱やリンパ節腫脹,頭痛,咬傷部の腫れなど(数週間〜数ヵ月)
  • 経過:感染10~30年後に心臓病(最大45%),消化器病(最大21%),神経損傷(最大10%)
  • 心臓:左心室の拡張および機能不全,心室瘤,心不全,血栓塞栓症,心室不整脈,突然死
  • 診断:急性期はPCRまたは血液などから寄生虫顕鏡/慢性期はT Cruzi に対するIgG抗体
  • 予防:サシガメ排除(殺虫剤や蚊帳の使用),輸血に使用される血液のスクリーニング
  • 治療:初期の感染症は抗寄生虫薬ベンズニダゾールまたはニフルティモックスで治療可能


シャーガス心筋症(Chagas Cardiomyopathy)の様々な壁運動異常

(投稿者 川崎)

0 件のコメント:

コメントを投稿