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2024-02-11

抗合成酵素症候群 Anti-synthetase syndrome (ASS)

  • アミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl transfer RNA synthetase: ARS)に対する自己抗体(抗ARS抗体)陽性例に特徴的な臨床像
  • アメリカの内科医 I N Targoff が提唱した病態(Rheum Dis Clin North Am 1992;18:455-82)で,炎症性筋疾患(筋炎)と関連する
  • 抗ARS抗体症候群では筋炎に加えて,間質性肺炎,機械工の手,レイノー現象,多関節症,発熱などの多様な筋外症状を呈す
  • 抗合成酵素症候群の疫学は男女比は1:3~4と女性に多く,平均発症年齢は50歳代である(ただし小児例も存在する)
  • 筋力低下は左右対称性で下肢からはじまる近位筋優位が基本で,徒手筋力テストで3/5あるいはそれ以下の重篤な低下が27%
  • 筋外症状の中で最も頻度が高くまた生命予後を左右するのが間質性肺炎であり,抗合成酵素症候群の80%で認められた
  • 治療の基本はステロイド(1 mg/ kg/day)で通常の筋炎と同様(反応は良いが再発しやすい/多くで免疫療法を併用)
  • 現在保険収載されている抗ARS抗体検査は,抗 Jo-1抗体,抗PL-7抗体,抗PL-12抗体,抗EJ抗体,抗KS抗体を判定


多発筋炎・皮膚筋炎における自己抗体とその対応抗原,臨床的意義

💁 筋炎に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

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