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2024-08-24

AIDPエーアイディーピーとアマン

👥 先日のカンファレンスから
  • 指導医A 「AIDPとアマンがあり,フィッシャーを入れることもある」
  • 指導医B 「AIDP? アマン?」(研修医が理解していたか否かは不明)

📪 概略
  • ギラン・バレー症候群(GBS)の二大病型で電気生理所見から分類可能(GBSの診断自体には不必要).もっともAIDPとAMANの臨床的な差は僅かであるため臨床像からの鑑別は難しい.両者の治療法も区別されていないため,その病型分類に臨床上の大きな意義はないと考えられている.

📫 AIDP
  • 脱髄型でacute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathyの略.運動神経神経軸索と先行感染因子(キャンピロバクター)に発現するガングリオシド GM1,GD1aとの分子相同性による発症.初期病変はランビエ絞輪部Naチャネルの分散と傍絞輪部ミエリンの離開による微細変化(nodopathyという呼称が提唱)で,神経伝導の安全因子が低下して非脱髄性伝導ブロックが生じる.

📬 AMAN
  • 軸索型でacute motor axonal neuropathyの略.多くは抗GM1抗体などの抗ガングリオシド抗体等の自己抗体が検出される.ランビエ絞輪部の軸索膜表面に補体沈着が起こることが知られ,軸索膜上のガングリオシドを標的とした免疫反応が一次病変であると考えられている.

📭 おまけ
  • Fisher症候群(外眼筋麻痺,運動失調,腱反射消失を三徴とする特異な症状)はヒト神経系におけるGQ1bの発現によって規定され,GBSの亜型とすることもある.現在ではビッカースタッフ脳幹脳炎は中枢病変を伴うフィッシャー症候群としてとらえられている.



(投稿者 川崎)

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