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2020-09-27

第129回日本循環器学会近畿地方会より

🐤 個人的に気になった演題(コロナ禍のため誌上発表)

演題3-19 経食道心エコー図ガイド下にNeoChordを用いた僧帽弁修復を行った一例
  • NeoChordは経心尖アプローチで心拍動下に人工腱索を移植して弁修復を行うデバイス.本例は本邦初の症例だそうです.

演題6-3 微小脳出血を認めた感染性心内膜炎に対し外科的手術を施行し術後脳出血を来たした一例
  • 高度の弁機能不全を伴い塞栓症のリスクが高いことから,準緊急で大動脈弁置換術を施行.術後意識レベルの低下が遷延し頭部CTで大脳や小脳等に多発性脳出血を確認

演題6-16 肺高血圧症の再増悪を認めた糖原病Ⅰa型 (von Gierke 病)の一例
  • 糖原病Ia型はグリコーゲンから糖への分解系における触媒酵素のglucose-6-phosphataseが欠損する疾患

演題7-3 診断および治療に苦慮した再発性失神の一例
  • ヘッドアップティルト試験で血管抑制型の血管迷走神経性失神と診断したが,その後に性徐脈を伴う血圧低下と失神が出現.恒久的ペースメーカー植込み後の失神あり.最終的に右頸動脈周囲への扁平上皮癌の転移と診断

演題8-7 PHを呈したScimitar症候群の一例
  • Scimitar症候群は稀な先天性奇形で,胸部X線上の三日月刀様血管陰影,右肺低形成,心臓右方偏位が特徴.scimitar=シミター=三日月刀(別名は半月刀でかつてトルコ軍が蛮勇を振ったサーベルの原型).画像リンクはコチラ

演題8-13 怒りを契機に発症したステント血栓症の一例
  • 急性下壁梗塞に対して薬剤溶出性ステント留置後.第7病日に病棟スタッフと口論でST上昇.緊急冠動で前回留置した右冠動脈ステント近位部の完全閉塞を確認

😎 当院からの報告(敬称略・演題順)
  • 演題1-15 身体所見が病態を正確に反映した右室流出路狭窄を伴う肥大型心筋症の1例(循環器内科 車古大樹)
  • 演題4-12 運動負荷誘発の拡張期奇異性血流を認めた肥大型心筋症の1例(臨床検査科 武岡真由美)
  • 演題4-15 肥大型心筋症に対する頸静脈a波の診断能(循環器内科 川﨑達也)
  • 演題4-24 鎮静下で行った経食道心エコー図の検査中に惹起された不安定狭心症の1例(循環器内科 酒井千恵子)
  • 演題7-15 冠攣縮によるBezold-Jarisch反射が疑われた急性大動脈解離の1例(循環器内科 宮本瑛史)

🎓「学会」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

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