ミノサイクリンによる色素沈着

👤 Minocycline-induced hyperpigmentation

• 頻度：有病率は2.4〜41%で，治療期間や累積投与量と相関（顔面を除く）
• 病理：基底ケラチノサイトでのメラニンの増加および真皮メラノファージ
• 鑑別：アジソン病，甲状腺機能亢進，ヘモクロマトーシス，悪性腫瘍など
• 治療：ミノサイクリン中止，日光への露出回避，色素特異的レーザーなど

参考）Cleveland Clinic Journal of Medicine 2016;83:876-7

繰り返す創部感染症でミノサイクリン200 mg/日を6年服用していた症例

（Cureus 2018;10:e2672） 

👹 追加情報

•  薬剤性色素沈着にはミノサイクリン以外にも，アミオダロンやブレオマイシン，プロスタグランジン，経口避妊薬，フェノチアジン，抗マラリア薬などが知られています．
• 特にアミオダロンによる色素沈着は”Blue man”として知られています（下図）．ちなみに”Red man”といえばバンコマイシンによる過敏反応のレッドマン症候群です．

（Circulation 2006;113:e63）

（投稿者　川崎）