覚せい剤・大麻・コカイン系麻薬・ベンゾジアゼピン系・バルビツール酸系・三環系抗うつ薬を評価可能
薬物検査を目的とした尿採取
- 患者の意識がなく本人から同意が得られない場合 ➜ 家族からの同意が得られた場合あるいは医学的に必要と考えられる場合は可能(覚せい剤使用が疑われる患者について,本当に覚せい剤使用の事実があるかどうかを確認することを含む/精神科救急医療ガイドライン2007年版)
- バルーン挿入による強制採取 ➜ 救急患者に対する治療の目的で医療上の必要があったと考えられる場合,患者から尿を採取し採取した尿についての薬物検査は,たとえ医師がこれにつき被告人から承諾を得ていたと認められないとしても,違法であるとはいえない(文言は一部変更/最高裁平成17年7月19日決定)
検査が陽性だった場合の届出
- 医師が「診察の結果,受診者が麻薬中毒者であると診断したとき」には,すみやかに都道府県知事に届け出る義務(麻薬および向精神薬取締法58条の2) ➜ 薬物事犯を取り締まるべき社会的要請が高いことに鑑みれば,患者の尿から覚せい剤反応が出た場合に警察等へ届け出ることは,患者プライバシーを侵害する違法な行為とはいえないように思われる(メディカルオンライン医療裁判研究会のコメント)
- 覚せい剤取締法の中に医師の届出義務を定めた規定はない ➜ ただし覚せい剤の使用は犯罪であり警察等へ届け出ることは患者プライバシーを侵害する違法な行為とはいえないと思われる(麻薬および向精神薬取締法41条の3ならびに19条/刑事訴訟法法239条1項)
💀 上記対応を行ってもトラブルになる事例があると思います.そこでメディカルオンライン医療裁判研究会がトラブル回避の一案を示しています
- 医師はカルテに医療的な記載のみ行い,警察とのやり取りは事務担当者(別書類に記録)
- 届出の際には必要最小限の情報のみ提供し,みだりに診療経過について情報提供しない
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