口渇、尿量減少するものの次の諸症:
浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病
五苓散は、水チャネル(アクアポリン)調整作用による臓器・組織の水の偏在を正常化させ、水毒を改善する代表的処方である。
最近では、高齢者の難治性心不全に対する五苓散の併用効果が注目されている。フロセミド+トルバプタンでも利尿効果が得られない症例においては、五苓散併用の有用性が期待される。考えられている機序は以下の通り。
- 腎集合管主細胞のアクアポリン2タンパク質発現量を正常状態に回復させることによりトルバプタンのアクアポリン2に対する作用を安定化
- 近位尿細管およびヘンレ下行脚のアクアポリン1阻害による利尿作用
- 遠位尿細管におけるNaチャンネル阻害作用によりループ利尿薬の作用を増強
- 腎集合管アクアポリン3・アクアポリン4阻害による利尿作用
- 上記作用により利尿効果が増強した結果、毛細血管圧が低下し血漿浸透圧が上昇、間質から過剰な水が毛細血管内に戻る(浮腫の改善)、腎血漿量が増加し、利尿が増強して臓器・組織の水の偏在が正常化
(投稿者 小森)
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