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2019-12-10

細菌性髄膜炎の empiric therapy

ERでは細菌性髄膜炎の起因菌が未確定のことが多い。
年齢層によって起因菌が異なり、同じ菌であって年齢層によって薬剤感受性が異なる。

また、すべての場合においてデキサメタゾンの投与が推奨されている。(抗菌薬投与の10分前を目安に)
DXS 0.15㎎/kg/日 q6h
→サイトカインの産生を抑えて、その後の炎症の伸展を阻止する。実際に、ステロイドの併用で発熱期間、難聴の発生が有意に減少したとの報告がある。

【新生児】
GBS(B群連鎖球菌)、大腸菌が多い。リステリアも一部あり。
ABPC 150~200㎎/kg/日 q8h + CTX 100~200㎎/kg/日 q8h
*セフトリアキソンは高ビリルビン血症の新生児に対しての死亡例がある。

【生後1ヶ月~15歳】
肺炎球菌、インフルエンザ桿菌の割合が増加。以前はGBS、大腸菌も多かった。(リステリアも)
→よってこの五種類のカバーが必要。
MEPM 120mg/kg/日 q8h(or PAPM/BP 100~160㎎/kg/日 q8h)
+ CTX 200~300㎎/kg/日 q8h(or CTRX 80~120㎎/kg/日 q24h)

【16歳~49歳】
肺炎球菌が70%、インフルエンザ桿菌が10%(この年代の場合ペニシリンが効きにくい)
MEPM 6g/日 q8h(or PAPM/BP 4g/日 q8h)
*ただし、この量のMEPMはレセプトで切られるため2g/日 q8hとする。

【≧50歳】
肺炎球菌が最多であるが、MRSA含むブドウ球菌が目立ってくる。
起因菌も多彩なことが多く、広域+VCMが基本。
①MEPM 2g/日 q8h + VCM 30~60㎎/kg/日 q8h
②CTRX 4g/日 q24h(or q12h) + ABPC 12.0~18.0g/日 q8h + VCM 30~60㎎/kg/日 q8h

(投稿者 宮本)

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