👾 解説
- 心房細動があるため少し分かりにくいが収縮期と拡張期にいずれも雑音あり
- 汎収縮期の雑音がありRRが長い部位に注目すると拡張期はⅢ音+ランブル
- 心音図では収縮期雑音はⅡ音を少し超過する高調性で拡張期雑音は低調性
- 心エコー図では心尖部〜側壁の壁運動低下と牽引による高度の僧帽弁逆流
- 内服加療後に施行した冠動脈造影では大きな左回旋枝に高度狭窄を認めた
- 最終診断は虚血性僧帽弁逆流で拡張期のランブルはカーリー・クームス雑音
👶 コメント
- 本例の主訴は労作時の胸痛と息切れの二つであった.臨床現場では必ずしも両者を理路整然と区別できるわけではないが,本例では胸痛は心筋虚血,息切れはその虚血によって生じた僧帽弁逆流による心不全症状と考えられた.
- カーリー・クームス雑音の名前は英国の循環器医 Carey Franklin Coombs (1879–1932)に由来する.本来はリウマチ熱の早期に生じる拡張期のランブルとして報告された.よってより厳密に記載するなら,本例のランブルはカーリー・クームス様雑音とすべきである.
(投稿者 川崎)
0 件のコメント:
コメントを投稿