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2020-08-30

DAPTからSAPT:頭の整理

🐵 用語の確認
  • DAPT(ダプト)=dual antiplatelet therapy(抗血小板薬2剤併用療法)
  • SAPT(サプト)=single antiplatelet therapy(抗血小板薬単剤療法)
  • チエノピリジン系抗血小板薬=チクロピジン(パナルジン®他),クロピドグレル(プラビックス®),プラスグレル(エフィエント®)/プロドラッグで代謝にCYP2C19関与
  • P2Y12受容体拮抗薬=チエノピリジン系抗血小板薬+チカグレロル(ブリリンタ®/直接的かつ可逆的なP2Y12受容体拮抗薬)
  • OAC(オアック)=oral anticoagulant(経口抗凝固薬)

- 2020年JCSガイドラインの記述(P23-28)-

🐯 ACS患者
  • 禁忌がないかぎり無期限にアスピリン8~162 mg/日を経口投与(推奨クラスI・エビデンスレベルA)
  • アスピリン服用の禁忌患者に対してチエノピリジン系抗血小板薬単剤投与を考慮(推奨クラスIIa・エビデンスレベルC)
  • 6ヵ月以内にDAPTを単剤に切り替える場合には,単剤として残す薬剤はアスピリンではなくP2Y12受容体拮抗薬を考慮することを推奨
  • DAPT終了後に低用量アスピリンを継続するプロトコルはすべての患者層には適用しがたいと考えられる
  • DAPT継続終了後にP2Y12受容体拮抗薬を継続する処方を高リスク患者で考慮することは妥当

🐱 安定冠動脈疾患患者
  • 禁忌がないかぎり無期限にアスピリン81~100 mg/日を経口投与(推奨クラスI・エビデンスレベルA)
  • アスピリン服用の禁忌患者に対してチエノピリジン系抗血小板薬単剤投与を考慮(推奨クラスIIa・エビデンスレベルC)
  • 3ヵ月以内にDAPT継続期間を短縮し単剤に切り替える場合には P2Y12 受容体拮抗薬を考慮することを推奨
  • 6ヵ月以上DAPTを継続した後に従来通り低用量アスピリン単剤を継続することも低リスク患者では妥当

🐥 PCI非施行患者
  • アスピリン81~100 mg/日を継続的に投与(推奨クラスI・エビデンスレベルA)
  • 出血リスクが高い患者に対してアスピリンまたはチエノピリジン系抗血小板薬の単剤投与を考慮してもよい(推奨クラスIIb・エビデンスレベルC)

🐼 独り言
  • 低用量アスピリンの無期限投与がクラスI・エビデンスレベルAで推奨されていることが話をややこしくしているが,ざっくり言ってDAPTからSAPTの変更時にはリスク(出血&血栓)に応じてアスピリンかP2Y12受容体拮抗薬を決定.ただしOAC併用中ならDAPTはSAPTにせずにOAC単独でOK

(投稿者 川崎)

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