頭痛で来院して群発頭痛と診断された症例
発熱と開口障害も出現したため再来院した
発熱と開口障害も出現したため再来院した
🦋 蝶形骨洞単独病変(Isolated Sphenoid Sinus Disease)
- 発熱と開口障害は群発頭痛では説明できないため耳鼻咽喉科へ紹介 ➜ 特記所見なしと判断されていた前日の頭部CTを見直し診断に至った(下図の赤丸)
- メイヨークリニックのWyllieらが37年間で経験した45例をまとめて報告(Laryngoscope 1973;83:1252-65)したのが最初で,全副鼻腔疾患の約1-1.7%と稀
- 125症例の検討では年齢は4歳〜78歳(平均47歳)で,男性71例・女性54例/最終診断は98例が炎症性,8例が異物,10例が良性腫瘍,9例が悪性腫瘍
- 症状は重篤な頭痛72.8%,視力障害34.4%,鼻出血32%,脳神経障害20.8%/治療は内視鏡下鼻内蝶形骨洞口開放術85例,抗菌薬などの保存的治癒は4例
- 本例はキノロン系経口抗菌薬(GRNX)の内服で症状が改善し1週間後にはおおむね消失した ➜ 最終的に左蝶形骨洞炎と考えられた(群発頭痛も併存)
🐛 おまけ
- 蝶形骨(sphenoid bone)とは頭部の骨の一つで,1つの体と3対の突起(大翼・小翼・翼状突起)から構成される(下図の赤い部分)
- 命名は蝶に似ているためであるが,腸骨との混同をさけるために蝶骨に「形」の字が加えられた(日本医史学雑誌 2010;56:39–52)
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(投稿者 川崎)
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