心尖部肥大型心筋症における心筋虚血
心尖部肥大型心筋症の運動負荷Tl心筋SPECT像
心尖部肥大型心筋症の運動負荷Tl心筋SPECT像
杉原洋樹、他 : 呼吸と循環 41 ; 1089-1093 ;1993
💚 解説
- 負荷時に心尖部の集積低下が顕著で、後期像では高集積で心尖部肥大を表している。
- 巨大陰性T波と左室造影拡張末期像でスペード型を呈することを特徴とすることが最初に報告された。
- 特徴的な心電図は経年変化をすることが知られる。
- 約2/3に運動負荷により肥大した心尖部に心筋虚血が生じる。
- 経過中に心尖部が瘤状になり血栓形成や心室頻拍を生じる例があることに留意が必要であるが、このような例では負荷時の心尖部が集積低下/欠損が、後期像で再分布しない。
- 経過中の心尖部小嚢状腔の早期発見が重要であり、早期発見に心エコーでのparadoxical jet flow(拡張早期に心尖部から心基部に向かう血流)の検出が有用である。
👤 唯我独尊
- 負荷Tlの負荷後像のみを見るとほぼ正常像で、後期像では心尖部が高集積の例を時々見かける。
- 本来高集積に見えるべきところが正常に見えるのは虚血の可能性を考慮すべきと診断に記載している。
- 狭心症の疑いで本検査が施行され、心尖部高集積の認められることがある。
- 心尖部肥大を診断する検査法ではなく、心エコーで心尖部をよく検討するようにとのコメントを書くようにしている。
- 冠攣縮やたこつぼ心筋障害の回復期に巨大陰性T波を伴う一過性心尖部肥大が生じることがあることが報告されているが、心尖部肥大であり、心尖部肥大型心筋症ではない。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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