運動誘発冠攣縮解除後の反応性充血
運動負荷心筋イメージング施行時の心電図変化(上)、tetrofosmin/Tlを静注のプロトコール(中)およびそれぞれの像(下)
Sugihara H et al : Circulation 99 : 589-590, 1999
💚 解説
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運動負荷により胸部圧迫感を生じ、V1-4でST上昇し(上)、その時点でtetrofosminを投与した。
- ニトログリセリンの舌下投与により症状と心電図が改善し、その時点でTlを投与した(中)。
- Tetrofosmin像は前壁心尖部が高度集積低下を示し、Tl像は下壁が集積低下(前壁が高集積)を示した(下)。
- 冠動脈造影で有意狭窄は認められず、エルゴノビンにより前下行枝に冠攣縮を生じた。
- Tetrofosmin像は左前下行枝の冠攣縮を示し、Tl像はニトログリセリンによる冠攣縮解除後の反応性充血による前壁の高集積と解される。
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自画自賛
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Tc-99m標識の心筋血流製剤が登場した時に、動物実験で認められる冠動脈の短時間閉塞後の解除により生じるreactive hyperemiaを画像化できるのではと考えていた。
- 本症例への問診から、運動で冠攣縮が誘発されるかもしれないと考えた。
当時はtetrofosminで検査をしていたが、甲状腺検査用のTlがあることを聞き、技師さんにお願いして、手元にTlも置いて負荷を始めた。
- 日頃頭で考えていたことと、さまざまな偶然が重なり、自慢の一枚の画像となった。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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