冠攣縮性狭心症
安静時胸部不快感を訴えた症例のBMIPP(上段)および運動負荷Tl(下段)心筋イメージング
安静時胸部不快感を訴えた症例のBMIPP(上段)および運動負荷Tl(下段)心筋イメージング
💚 解説
- BMIPPで前壁心尖・中隔に中等度の集積低下が認められる。
- 動負荷Tl心筋イメージングでは心筋虚血の所見はない。
- 本例は冠動脈造影で有意狭窄はなく、左前下行枝に冠攣縮が証明されている。
- 冠攣縮による心筋虚血で生じた脂肪酸代謝障害が、虚血解除後にも続いていることを示し、BMIPPは非発作時に冠攣縮性狭心症を診断可能な検査法として意義深い。
👤 ひとり言
- 本症例のごとく、冠攣縮性狭心症の検出にBMIPPが極めて有用である症例があることは事実である。
- しかし、その感度に関しては30-70%と報告に差がある。
- 冠攣縮はその強さ、虚血持続時間、発作頻度等に差があり、また最後の冠攣縮からBMIPPイメージング施行までの期間は症例毎に異なることなどが差につながっているのかもしれない。
- 冠攣縮狭心症が疑われ、冠動脈CTが正常、BMIPPで集積低下であれば、冠動脈造影なしで冠攣縮性狭心症と診断し、治療し、経過観察してよいと思われる。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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