呼吸困難発生に関与する受容器
1.化学受容器
2.迷走神経受容器
3.胸壁(筋・腱)受容器
4.上気道受容器
- 延髄の中枢化学受容器は,血液中のCO2上昇によって刺激される
- 総頚動脈分岐部の末梢の化学受容器:低酸素によって強く刺激される
2.迷走神経受容器
- 気道や肺には多くの受容器(肺イリタント受容器,C線維受容器,肺伸展受容器など)
- 肺イリタント受容器はC線維受容器=機械&化学刺激(ヒスタミン,ブラディキニン,プロスタグランディンなど)
- 呼吸困難感の発生・増悪に関与する受容器と,逆にその緩和に関与する受容器が混在
3.胸壁(筋・腱)受容器
- 胸壁の呼吸筋や腱の内部には筋紡錘のような神経受容器が存在
- 例:胸壁に振動刺激を加えると部位や方法で呼吸困難感が増悪または緩和
4.上気道受容器
- 鼻腔から喉頭に至る上気道には,圧や気流,機械的あるいは化学的刺激を感受できる受容器が存在
- 例:冷風を顔面に送風したりメントールを吸入すると呼吸困難感が緩和(三叉神経などを介す)
👹 おまけ
- 英語の息切れ”dyspnea”はラテン語の”dyspnoea”やギリシャ語の”dyspnoia”に由来すると考えられ,紀元1世紀にAulus Cornelius Celsusによって執筆されたローマの医書「De Medicina」にすでに使われているそうです.
- 息切れの機序は疾患によって大きく異なると考えられます.例えば心不全ならO2低下に対する末梢化学受容器の反応で,COPDなら胸壁(筋・腱)受容器およびCO2上昇による中枢化学受容器の反応が主と思われます.
(投稿者 川崎)
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