左房梗塞?
急性心筋梗塞発症4日目(A)と14日目(B)のHMDP
シンチグラムplanar像(上)とFirst Pass(下)
急性心筋梗塞発症4日目(A)と14日目(B)のHMDP
シンチグラムplanar像(上)とFirst Pass(下)
💚 解説
- 二度の心筋梗塞の既往があり、EF20%の60才代男性が胸痛を訴え、CKの上昇があり、第4病日にHMDPの検査がなされた(PCI治療がなされない時代)。
- 明らかなHMDPの集積が認められるが、胸骨、肋骨との関係からは通常より位置が高いように思われる。
- 集積位置を同定するため、左前斜位像を撮像後、被検者とガンマカメラの位置を固定したまま、少量のパーテクネテートのボーラス投与によるFirst Passを撮像した。
- HMDPの集積部位とパーテクネテートの通過状態から、集積部位は左房と推定した。
- 第14病日の再検でHMDPの集積が消失していることから、急性心筋梗塞の像であることを確認した。
👤 ひとり言
- 高い位置にあるHMDPの集積部位を瞬間的に左房と思った。
- 何とかそれにせまれないかと考え、技師さんに少量ならと許可を得、パーテクネテートを使用したFirst Passを施行した。冠動脈造影からは左房梗塞を確認する所見は得られなかったが---
- 心房にも梗塞はあり、右房に多いとされる。
- 心電図のPTa上昇による心房梗塞の診断はBrugadaの本にも記載がある。
- この画像はSPECTの撮れない時代に経験したものであるが、SPECTのルーチンの垂直長軸、水平長軸、短軸の各像では心房のことは意識されていない。
- 心房梗塞を見つける努力が必要であることをレジデントには言い続けている。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)
(投稿者 杉原)
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