三枝病変例での全周性梗塞
Tl/PYP dual SPECT
Kawamata H et al : Asia Ocean J Nucl Med Biol ; 8(1):69-73.;2020
💚 解説
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70才代男性、呼吸困難感を訴えて来院、心電図は完全右脚ブロック、V3-6でST低下、aVRでわずかにST上昇(下)、CKは1072であった。
- 緊急冠動脈造影では右冠動脈近位部および回旋枝が完全閉塞で、高度狭窄のある左前下行枝から側副路が存在した。
- 種々の状況から引き続きのインターベンションは施行されず、20日後に安定した状況で退院した。
- 第4病日に施行されたPYP/Tlのdual SPECTでは、Tlは下壁と心尖部が軽度集積低下を示し、左室全周性と右室にPYP集積が認められる。
- 重ね合わせ画像では、PYPは左室の心内膜側と右室に集積している。
- 左室全体の心内膜側および右室の急性心筋梗塞を示すきわめて稀なPYP像である。
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ひとり言
- “心内膜下梗塞”は貫壁性梗塞ではないという診断名ではなく、このように全周性心内膜下梗塞と定義された時期があり、診断基準の一つがaVRの上昇であった。
- NSTEMIとSTEMIという分類の前者は心内膜下梗塞との表現もあると思われるが---。
- 現在の心内膜下梗塞の定義は?
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
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(投稿者 杉原)
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