AMIにおけるPCI直後のPYP
急性心筋梗塞で来院時のtetrofosmin像とPCI直後の
PYP像(上)とPCI中の冠動脈造影と心電図(下)
伊藤一貴先生(伊藤クリニック)提供
💚 解説
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AMIで来院 → tetrofosmin心筋イメージング → PCI → PYPイメージングという著者の仲間が施行したプロトコールである。
- Tetrofosmin心筋像は左前下行枝領域が欠損となっている。
- 左前下行枝にPCIを施行すると、ST再上昇とslow flowが生じ、再灌流障害が生じたと考えられる。
- PCI後のPYP(同日)は梗塞領域に高集積している。
- 本症例は慢性期に梗塞部の壁運動の改善は軽微であった。
- 24例にこのプロトコールが施行され、再灌流障害が認められた4例ではすべてPYPが高集積であった。
- 再灌流障害の原因はフリーラジカルおよびCa overloadと考えられている。
- Ca overloadになるとミトコンドリア内にCaがハイドロキシアパタイトの形で蓄積される。PYPはハイドロキシアパタイトと結合する性質を有している。
- PYPの心筋集積は再灌流障害を画像化している可能性がある。
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ひとり言
- AMI来院 → tetrofosmin心筋イメージング → PCI → PYPイメージング(同日異なるTc-99m製剤を2回投与)という過激なプロトコールである。
- PYPの心筋集積の早期化や増強は梗塞、壊死のない高度虚血、再灌流障害を考慮し、解釈する必要がある。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
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(投稿者 杉原)
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