熱が持続するため当院の総合診療科に入院/血培のグラム染色像を示す(強拡大)
血培ボトルの溶血が目立ち,グラム染色で多数の陽性桿菌 ➜ 最終的にリステリアと同定
リステリア・モノサイトゲネス Listeria monocytogenes
- 特徴 通性嫌気性のグラム陽性桿菌(両端鈍円の非芽胞形成短桿菌)
- 分布 ヒトのほか種々の動物,植物など自然界に広く存在している
- 経路 家畜・家禽・ペット,保菌者や食品(チーズ他),垂直感染
- 病型 髄膜炎が最多,次いで敗血症,胎児敗血症性肉芽腫症など
- 治療 ペニシリン系(特にアンピシリン)が有効/セフェム無効
(参考:国立感染症研究所 リステリア・モノサイトゲネス感染症とは)
リステリアは髄膜炎に注意する必要がある.髄膜炎を生じる他の細菌ではS. pneumoniae,H. influenzae,髄膜炎菌などが多い.本例でもリステリアが疑われた段階で髄液検査を行ったが細胞数は0/mm3であった.
おまけ
モノサイトゲネスという名前から類推されるように単球増加症(monocytosis)を伴うことが多いようです.しかし本例では単核球は増加していなかった.
※実際は生菌をウサギに接種し末梢血で単球増多が生じたための由来で,ヒトでは必ずしも単球増多はみられないようです(出典はコチラ).
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(投稿者 川崎)
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