当院循環器内科から5演題を発表 😄 個人的に気になった演題は下記です
A-12 ステロイド治療が著効した心膜切開後症候群の一例
- 心膜切開後症候群 post-pericardiotomy syndrome (PPS) ➜ 術後数日~数ヵ月に発症する再発性の心嚢水貯留.発熱や炎症反応(赤沈亢進)を伴い,機序として自己免疫反応が推察されている.予防はコルヒチン,治療はアスピリンもしくはイブプロフェン,状況に応じてステロイド全身投与や心膜腔内投与を考慮.
A-16 右心系感染性心内膜炎疑いで紹介された一例
- 全身性炎症反応症候群 systemic inflammatory response syndrome (SIRS) ➜ サイトカインを中心とした免疫・炎症反応による非特異的な全身生体反応を把握するための臨床概念.様々な侵襲によって誘引される.
C-36 遺伝性QT延長症候群に対してカルベジロールに加えてナドロールを追加投与し,QTの改善を認めた1例
- ナドロール ➜ β1非選択性の水溶性薬剤で商品名はナディック®(効能書き).適応は本態性高血圧症(軽症〜中等症),狭心症,頻脈性不整脈.当院では未採用.
E-7 Ganglionated Plexi検出のための高頻度刺激中に冠攣縮による右冠動脈完全閉塞を来した発作性心房細動の一例
- Ganglionated Plexi ➜ 内因性自律神経の神経節のことで,肺静脈および心房組織に神経線維を出している.発作性心房細動の原因として同神経節の過活動(内因性自律神経過活動説)が提唱され,Ganglionated Plexiのアブレーションが行われることがある.
E-23 スポーツ関連血管病変:バトミントンが誘発と考えられた鎖骨下静脈閉塞からの考察
- Wrightテスト ➜ 胸郭出口症候群が疑われたときに行う手技で,両上肢を外転・外旋・挙上して患側の橈骨動脈の触知が減弱すれば陽性.
H-6 Carey Coombs雑音を伴う究極Ⅲ音の一例
- 究極Ⅲ音➜ 重症MRと左室拡張障害により究極的に増強されたときに出現したⅢ音(のことのようです).提示された症例は聴診上は巨大な単一心音であり,その実体はⅡ音と僅かに遅れた巨大Ⅲ音であった.
(投稿者 川崎)
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