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2018-12-03

Limited Joint Mobility (LJM)

Limited Joint Mobility (LJM)は手指の拘縮や皮膚の肥厚により手にこわばりを呈する状態。

糖尿病患者の約25〜50%に男女ともに等しくみられる合併症の一つであり、糖尿病の罹病期間が長いほどみられやすい。

症状
DIP関節およびPIP関節の拘縮より始まり、徐々にMCP関節や上下肢の他の関節に広がっていくとされる。
LJMは通常痛みを伴わず、時間経過とともに手指の巧緻性の低下や掴みにくさを自覚するようになる。

検査
赤沈・抗核抗体・RFなどの血液検査は基本上昇しない。理学的な所見としてprayer signとtabletop testの2つが知られている。
・prayer sign:祈る際のように指を伸ばし両手を合わせる。LJM患者では両手の指の間に隙間がみられる(画像参照)。
・tabletop test:テーブルの上に指を広げて手のひらを置く。LJM患者ではテーブルと指の間に隙間がみられる。

鑑別診断
ばね指(指屈筋腱の腱鞘炎)、Dupuytren拘縮、反射性交感神経性ジストロフィー、強皮症etc.

治療・予後
血糖コントロールやストレッチなど。またLJMとその他糖尿病の合併症には関連があるとされ、LJM患者では微小血管障害、大血管障害などに注意する必要がある。

参考:
Indian J Endocrinol Metab. 2013 Jul;17(4):769-70.
Indian Dermatol Online J. 2013 Jul-Sep; 4(3): 259.(画像を引用)



(投稿者 弓削)

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