- 肺炎が疑われる症例の胸部CTの最尾側に偶然,記録された所見
- 右腰背部のヘルニアを認める(内容物は腹膜や脂肪組織など)
- 腰ヘルニアと診断(全体像は不明であるが上腰ヘルニア疑い)
- 症状なく以前の胸部CTによる所見とも著変ないため経過観察
ミニ解説
- 上腰ヘルニアは上腰三角に発生する腹壁ヘルニアのひとつ.上腰三角=第12肋骨下縁と下後鋸筋(天)+腹横筋腱膜(床)+腰方形筋前縁(後)+前方を内腹斜筋後縁(前).上腰三角は広背筋で覆われているが解剖学的な脆弱部位である. 参考)日臨外会誌 2010;74:564-8
- 似たようなヘルニアに白線ヘルニア(=正中腹壁ヘルニア)や側腹壁ヘルニア(=半月状線ヘルニア)がある. 分かりやすいページ ➜ 日々の症例132(寺元記念病院画像診断センター)
- 通常の腹部のヘルニアには鼠径ヘルニア(最多で男性に多い),大腿ヘルニア,閉鎖孔ヘルニア(高齢・女性・多産・やせで腫脹が目立たない),臍ヘルニア(肥満と合併),食道裂孔ヘルニア,腹壁瘢痕ヘルニア(開腹手術後)などが知られている.
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(投稿者 川崎)
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